『心悲しい』の読み方は『うらがなしい』?言葉の意味や類義語もご紹介します。

ことばの表現

『心悲しい』と書いて『うらがなしい』と読みます。

この『心悲しい』ということば、あなたは普段使っていますか?

なぜ、『心』と書いて『うら』と読むのでしょうか?

そもそも『うらがなしい』ってどんな意味で、どんな気持ち?『悲しい』との違いはなに?

今回は、知っているようで、いまいちわからない言葉『心悲しい(うらがなしい)』について、意味や使い方、類義語などをご紹介します!

 

【心悲しい】の意味

『うらがなしい』という言葉は、【心悲しい】と書きます。意味はつぎのとおりです。

 

なんとなく悲しい。
(出典:岩波国語辞典)

【心悲しい】とは、なんとなく悲しいという感じや気持ちをあらわす言葉で、

『うらがなしい』と読みます。

 

【心悲しい】とは、日本古来の和語で大和言葉です。

「物悲しい」気分をさし、あらたまった会話や文章に用いられる古風な和語のこと。
(出典:日本語 語感の辞典)

 

【心悲しい】の『心』は『ウラ』と読み、
心の状態をあらわす形容詞につく言葉です。

【心(うら)】とは、心の状態をあらわす形容詞の上につく。
何とはなしにの意味。
『ウラ』とは古くは心の意味で、
『心の中で』の意から転じた。
(出典:岩波国語辞典)

 

※こちらの記事では、【物悲しい】という言葉についてご紹介しています。
>>『物悲しい』感じとは?意味や使い方、類語と『悲しい』との違いも解説します。
おかめ
おかめ

【心悲しい】って、
『なんとなく悲しい』という意味なんだにゃ。

小梅
小梅

ほかの言葉でいうときは、
どんな言葉があるのかにゃ?!

 

【心悲しい】の類義語・言い換え

こちらでは、【心悲しい】の類義語についてご紹介します。つぎのような言葉に言い換えることができます。

類義語

品格が厳かな感じ、あるいは憂鬱な感じをあらわす言葉

もの憂げ、陰鬱、憂愁、物悲しい、

物寂しい、湿っぽい、辛気臭い、陰気、

寂寥(感)、寂寞、

悲しみや不幸の経験、それを示す言葉

哀しげ、沈痛、悲痛、哀切、哀愁

【寂寥(感)(せきりょう・かん)】や【寂寞(せきばく)】など、あまり使い慣れていない言葉かもしれませんが、これらの言葉も、『ものさびしい様子』や『ものさびしく静まっているさま』をあらわすします。

 

言い換え

連想語として、つぎのような言葉に言い換えることもできます。

心時雨る、心に感じる、
なんとなく心が痛む

【心時雨る(こころしぐる)】とは、
『もの悲しく、心が湿りがちになる』という意味のことば。叙情的な表現で、より心にしみる言葉のように感じますね。

 

【心悲しい】の使い方・例文

さいごに【心悲しい】の使い方について、例文をいくつかご紹介します。

その前にひとつ、

【心悲しい】という言葉は、つぎのとおり、やや改まった会話や文章に使われることが多い言葉です。

【心悲しい】とは、物悲しい気分をさし、改まった会話や文章に用いられる古風な和語のことをいう。(出典:日本語語感の辞典)

 

それでは、例文を3つご紹介します。

例文1)

冬の海辺は人けもなく、心悲しい風景だった。
例文2)
突然、心悲しい気分に襲われるときがある。
例文3)
沖の遠鳴りのような、ただ心悲しい、なつかしい遣る瀬無さ
岡本かの子『母子叙情』

 

まとめ

今回は【心悲しい】という言葉について、ご紹介させていただきました。

要点をまとめると次のとおりです。

  • 心悲しい
    『うらがなしい』と読む。
    なんとなく悲しいさま』
    をいう。
    あらたまった会話や文章に用いられることが多い。
    日本古来の和語、大和言葉。

【心悲しい】の『心』とは、『心の中で』の意から転じた言葉で、『なんとなく』という意味をあらわします。

同じような意味のことばで、【心寂しい(うらさみしい)】があります。こちらの『心』も同じです。気になる方は、こちらの記事をどうぞ^^

『なんとなくさみしい』という意味の【心寂しい】という言葉について、解説しています。
>>『心寂しい(うらさみしい)とは?類語や言い換え、使い方を解説します!

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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