あなたは『時雨』という言葉の意味を知っていますか?
『時雨』という言葉を聞いたことがあっても、どのような雨なのか知らない人も多いのではないでしょうか?
ちなみに『時雨』という言葉は、冬の季語でもあります。
『時雨』がつく季語は、ほかにもたくさんあります。
今回は、この『時雨』という言葉について、意味や由来、季語や俳句などをご紹介していきます!
【時雨】意味と由来
『時雨』という言葉について、意味と由来について解説していきます。
『時雨』の意味
【時雨】は、『しぐれ』と読み、
意味はつぎのとおりです。
出典:『旺文社 国語辞典』
『時雨』とは、秋の終わりころから冬にかけて降る雨のこと。
急にぱらぱらと降り出しては止んでしまう、通り雨のような小雨のことをいいます。
ちなみに、『時雨』は降ったりやんだりする小雨だけではなく、
小雨が降ったりやんだりするような
【曇りがちの空模様】も意味します。
『時雨』は冬の季語
『時雨』は、俳句などの季語の世界では、【冬の季語】として扱われています。
意味のところでお伝えしたとおり、『時雨』とは、秋の終わりから冬にかけて降る小雨のことですから、【冬の季語】といわれて納得ですよね。
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『時雨』の由来
『時雨』の語源・由来には、つぎのように
いくつかの説があります。
- 【しばし暗き(しばらくの間暗い)】
【茂暗/しげくらむ(葉などが茂り暗いこと)】など、
辺りが暗くなるような意味からきたという説。 - 【シ】は添えた言葉で、
【クレ】空が暗くなるところからという説。 - 【シ】は風の意味で、
【クレ】は狂いが転じたものという説。 - 【シ】は風の意味で、
【クレ】は晩の意味からの説。 - 過ぎ行く通り雨であるところから、
【スグル】が転じた言葉という説。
引用元:日本語源大辞典(小学館)
【時雨】のつく言葉・季語
『時雨』という言葉(季語)は、冬だけではなく、ほかの季節にもあります。
もちろん、『時雨』という言葉は、冬の季語が一番多いです!
こちらでは、『時雨』とつく言葉(季語)を、春夏秋冬、一覧にまとめました。
ぜひ、参考にしてくださいね^^
季節 | ことば | 読みかた | 意味 |
春 | 春時雨 | はるしぐれ | 春のにわか雨のことで、春になってから降る時雨。《季語》 |
花時雨 | はなしぐれ | 花時に降る、時雨のような冷たい雨のこと。《季語》 | |
夏 | 梅時雨 | うめしぐれ | 鹿児島県肝属地方で、梅雨をさす言葉。梅の時節に降る時雨のことをいう。 |
秋 | 秋時雨 | あきしぐれ | 秋の終わりに降る時雨のこと。『秋の時雨』ともいう。冬の到来間近を思わせる侘しさと寂寥感のあることば。《季語》 |
霧時雨 | きりしぐれ | 時雨のように短時間降ってやむ霧雨のこと。霧のかかった状態を時雨に見た立てていうこともある。《季語》 | |
露時雨 | つゆしぐれ | 野一面に露がおりて、時雨が降ったあとのようになること。露と時雨のこともいう。《季語》 | |
虫時雨 | むししぐれ | 秋の虫が鳴きたてる様子を時雨の音にたとえていうことば。《季語》 | |
冬 | 時雨雲 | しぐれぐも | 時雨を降らす雲のこと。《季語》 |
時雨傘 | しぐれがさ | 時雨が降る時にさす傘のこと。《季語》 | |
朝時雨 | あさしぐれ | 朝に降る時雨のこと。《季語》 | |
片時雨 | かたしぐれ | 空の一方では時雨が降りながら、一方では晴れていることをいう。《季語》 | |
川音の時雨 | かわおとのしぐれ | 川音を時雨の降る音と聞きなしていうことば。《季語》 | |
北時雨 | きたしぐれ | 北の方から降ってくる時雨のこと。《季語》 | |
北山時雨 | きたやましぐれ | 北方の山から降ってくる時雨のこと。とくに京都の北山あたりから降り渡る時雨をさす。《季語》 | |
木の葉の時雨 | このはのしぐれ | 木の葉の音を時雨の音と聞きなしていうことば。《季語》 | |
小夜時雨 | さよしぐれ | 夜に降る時雨のこと。《季語》 | |
時雨雲 | しぐれぐも | 時雨を降らす雲のこと。《季語》 | |
時雨心地 | しぐれごごち | 時雨が降りそうな空模様のこと。涙が出そうな気持のこと。《季語》 | |
時雨月 | しぐれづき | 陰暦10月の異称。《季語》 | |
時雨の色 | しぐれのいろ | 時雨で色づいた草木の色のこと。《季語》 | |
袖時雨 | そでしぐれ | 袖に涙が落ちるさまを、時雨にみたてた言い回し。《季語》 | |
涙の時雨 | なみだのしぐれ | 涙に濡れるさまを時雨に見立てた言い回しのこと。《季語》 | |
初時雨 | はつしぐれ | その年にはじめて降る時雨のこと。《季語》 | |
松風の時雨 | まつかぜのしぐれ | 松風を時雨の音と聞きなしていうことば。《季語》 | |
村時雨・ 群時雨 | むらしぐれ | 晩秋から初冬にかけて、ひとしきり降ってはやみ、やんでは降る小雨のこと。 《季語》 | |
夕時雨 | ゆうしぐれ | 夕方に降る時雨のこと。《季語》 | |
横時雨 | よこしぐれ | 横から吹き付けるように降る時雨のこと。《季語》 |
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【時雨】俳句
さいごに、季語として『時雨』をつかった
俳句をご紹介します。
林 翔
稲畑汀子
鈴木真砂女
星野立子
日野草城
村山故郷
山口青邨
山口青邨
正岡子規
正岡子規
種田山頭火
種田山頭火
松尾芭蕉
杉山杉風
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まとめ
今回は、『時雨』という言葉について、ご紹介させていただきました。
『時雨』とは、簡単にまとめるとつぎのような言葉です。
- 晩秋から冬にかけて、降ったりやんだりする小雨のこと。
- また、そのような曇り空のこともいう。
- 冬の季語
- 他の季節にも、『時雨』がつく季語はある。
- 語源はいくつか説がある。
このように、晩秋から冬にかけて、ぱらぱらと降ってはやむ通り雨を『時雨』といいます。
ことばの響きにも、上品さと少しさみしさが漂う、素敵な言葉ですね^^
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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