『少し』という言葉。
便利でつかう機会も多い言葉ですが、もっと丁寧に伝えたいときや、より具体的に伝えたいときなどに、
とっさにほかの言葉やフィットする言葉が思い浮かばないことがありませんか?
文章でも、『少し』というおなじ表現ばかりが何度も登場してくると、文章全体がのっぺりした印象に。
今回はそのような時に使える言葉をあつめました。
『少し』といっても、さまざまな言葉があります。大和言葉には素晴らしい表現があります。
ぜひ参考にしてくださいね!
『少し』の意味
はじめに【少し】の意味をみておきましょう。
『少ない』は十分になく欠けている方に重点を置くのに対し、『少し』は、不十分ながらもあるという方に重点を置く。
例文)「もう少しは欲しい」「少しは涼しくなった」「少しだけで間に合う」
(出典:岩波国語辞典)
『少し』の類語
【少し】の類語には、つぎのような言葉があります。
ちょっと、ちょっぴり、ほんの、
ただ、ちと、一片、一抹、一僂、
微々、微少、僅少、極少、
『少し』って言っても、
いろんな言葉があるにゃぁ。
つぎはもっと具体的に
『少し』の言葉を紹介するにゃ!
大和言葉で言い換える
【少し】を大和言葉で表現すると、さまざまなかたちに言い換えることができます。
表現もより丁寧になったり、細やかに伝えることも。
大和言葉とは、『和語』といわれる日本固有のことばです。
現代の日本語は、大和言葉を含めてつぎの
3つの言葉で成り立っています。
- 大和言葉
- 漢語
- 外来語
漢語は中国から取り入れられた言葉です。たとえば「故郷」。大和言葉では、「ふるさと」となります。
外来語はカタカナで表わされる言葉です。たとえば「ミーティング」という言葉。漢語では「会議」、大和言葉では「寄り合い」や「集い」などの言葉になります。
大和言葉はやわらかでおだやかな言い回しが多いのが特徴です。『少し』という言葉も幅広く表現ができるので、ぜひ参考にしてみてください。
それでは、【少し】を表現するための大和言葉をご紹介していきます!
『少し』を表現する大和言葉
『心ばかり』
ほんの少しの意味で、気持ち程度のという意味が含まれる。
本日、心ばかりの品をお送りさせてただきました。
『心持ち』
ほんの少しの意味。
いつもより、心持ちはやく家事を済ませた。
『幾らか(いくらか)』
少しばかりの意味。
昨日より、いくらか寒さがやわらいだ気がした。
『いささか』
少しばかりの意味。
本日の商談は、いささか納得のいかないものとなった。
『ちょっと』
わずか、少しの意味。
これは、ちょっとの手間を惜しむことで、後で大変な作業を伴うことになります。
『ちょっとやそっと』
少々のことの意味。
ちょっとやそっとのことでは動じない人間になりたい。
『僅か(わずか)』
ほんの少し、非常に少ないの意味で、『僅少』と同じ言葉。
わずかな変化も見逃さずに行動をおこす。
限界や限度をあらわす大和言葉
『かつかつ』
やっとのことで、なんとか少しのところでの意味。
あの頃のわたしは、食べていくので精一杯で、かつかつの暮らしが続いた。
『かろうじて』
やっとのことで、なんとか少しのところで、の意味。
かろうじて開演の時間に間に合うことが出来た。
『限り限り(ぎりぎり)』
限度いっぱい、あと少しというような、それ以上余裕がないの意味。
ホームに人があふれていたので、ぎりぎりのところまで前に出た。
少しも〇〇という大和言葉
『少しも考えていない』『少しも思わない』
などの、【少し】。
『決して〇〇ではない』という意味で、思いや行動を強調するいいかたです。
この【少しも】をあらわす大和言葉をご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね^^
『ゆめゆめ』
ほんの少しも、まったく、決してなどの意味。当て字で『努努』と書く。
こんな贅沢な生活ができるようになるなんて、ゆめゆめ思ってもいなかった。
『夢にも』
少しも、まったくの意味。
こんな状況になるとは、夢にも思っていなかった。
『おさおさ』
少しも、決しての意味。
非常時の対策は、おさおさ怠らないようにしている。
『露ほども』
ほんの少しも、わずかばかりも、これっぽっちもなどの意味。
わたしは、お返しをもらいたいなんて、露ほども思っていません。
『少し』の言い換えことば
『少し』をほかの言葉に言い換えるときの、
関連する言葉や連想語をあつめました。
特定の表現をするときに使う『少し』をあらわす言葉も多くあります。
こちらを参考に、ことば選びをしてみてくださいね。
『少し』に関連することば
『かすか(微か、幽か)』
わずかに感じられる程度のことをいう。
森の中にはいると、かすかに鳥の声がきこえてきた。
『ささやか』
こじんまりと目立たないさまをいう。
来月、ささやかながらお祝いの会を開催することになりました。
『仄か(ほのか)』
かすかにそれとわかる程度で、はっきりしないさまをいう。
その部屋は、ほのかに白檀のお香のような香りがただよっていた。
『一抹の』
ほんのわずかなことをいう。あらたまった会話や文章に使うことが多い。
わたしはその時、一抹の不安を感じていた。
『一翼(いちよく)』
全体の中の一端の役割などをあらわす。
一つの持ち場のことをいう。
この度、実行委員会の一翼を担うことになりました。
『ほんのり』
色、形、姿などがかすかにあらわれるさまをいう。うっすら、ほのか。
そのあたりは、ほんのりと磯の香りがただよっていた。
『うっすら』
ごくわずかで薄いさま。かすかなさまなどをいう。
朝目覚めると、屋根の上にはうっすらと雪が積もっていた。
『ひと握りの』
わずかであるさまをいう。
ほんの一握りの人だけが、人気アーティストとして活躍できる世界。
『やや』
普通やほかと比べて少しばかりの意味。
例年にくらべて、やや早く雪景色を見ることができた。
『色をつける』
御愛想、埋め合わせに、なにかを少し添えたり、割り増しや値引きをするときにつかう。
もう少し色をつけてくれたら、その取り引きをおこなうこととしよう。
『一滴』
きわめて少量の意味をあらわす。
わたしは、お酒は一滴も飲むことが出来ない。
ネガティブな『少し』
【少し】をあらわす言葉には、ネガティブなときだけに使うことばもあります。
こちらでは、そのような言葉をあつめました。
『すずめの涙』
ごくわずかな量やもののたとえ。
30年以上働いてきたことを考えると、この退職金は、すずめの涙ほどである。
『たかが』
程度・質・量などが、とるに足りないさま、問題にするほど価値がないさまなどをいう。
たかが一度の失敗で、あきらめることはない。
『浅い』
量や程度が少ないさま、まだ十分なところに達していないさまをいう。
まだ学びはじめたばかりで知識が浅く、説明するのにたいへん苦労した。
『乏しい』
数量が少なくて、不足しがちなことをいう。
変化に乏しい毎日は、つまらないし、元気もなくなる。
『手薄』
人手が少ないことや、物・お金などが手元に少ないこと。
クリスマスシーズンは、人が手薄だと、お店をまわすのがとても大変だ。
『芥子粒(けしつぶ)ほどの』
極めて小さく、少量、わずかなどのたとえ。
世界は広い。それに比べて自分の悩みなんて、芥子粒ほどのものでしかないと思った。
『なけなし』
あるとはいえないほど少ないことや、ほんのわずかしかないことをあらわす。
なけなしの貯金をはたいて、家の修理をおこなった。
まとめ
今回は、『少し』を別の言葉で言い換えるときや類語などをご紹介させていただきました。
『少し』という表現にも、いろいろあります。
ネガティブな表現のものや、ある特定のものをあらわす言葉もあります。そのような言葉はより具体的で印象的な表現に。
この記事が、『少し』という表現をするときの言葉選びの参考になれば幸いです^^
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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