日本の豊かな季節のうつろいをことばであらわした『季語』。
『季語』は俳句や短歌はもちろん、その他の場面でも季節感を伝える素敵な言葉です。
今回は『季語』の中でも、花や植物にまつわる【春の季語】をあつめました。
春の中でも、おもに4月にあたる『晩春』の季語をご紹介します。春は生命力にあふれたはじまりの季節であり、晩春は初夏への移ろいの季節。
それでは、花や植物にまつわる『晩春』の【春の季語】をご紹介します。
【晩春】の季語
俳句などの『季語』の世界では、春とは、立春から立夏の前日までをいいます。
だいたい2月4日~5月5日ころまでをいいます。
本記事では春の中でも終わりの頃、『晩春』の【春の季語】をあつめました。『晩春』とは、だいたい二十四節気の清明の4月4日~立夏の前日5月5日ころまでのこと。
『晩春』の主な花を中心に、草、花、木の花などいくつかの項目にわけてまとめました。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
桜
桜
桜は春を代表するような花のひとつ。国花でもあります。
桜は晩春の【春の季語】でもあります。
別称も多くあります。
桜は、日本人にとってとくべつな思い入れのある花ではないでしょうか?
こちらでは、季語の『桜』とともに別称(季語)もまとめました。
季語 | 読みかた | 備考:花の色 |
桜 | さくら | 桜とは総称のことで、実に100種以上の桜があります。五弁花をいっせいに咲かせて、一気に散るさまは、万葉のころから歌に詠まれてきました。:白色、淡紅色 |
季語『桜』の別称
- 仇名草(あだなぐさ)
- 桜花(おうか)
- 大島桜(おおしまさくら)
- 染井吉野(そめいよしの)
- 深山桜(みやまざくら)
- 夕桜(ゆうざくら)
- 夢見草(ゆめみぐさ)
- 夜桜(よざくら)
その他の桜
『桜』にはつぎのような季語もあります。こちらの季語は、『桜』の別称(季語)ではありません。
さらに、それぞれの季語にも別称(季語)があります。
季語 | 読みかた | 別称 | 備考:花の色 |
山桜 | やまざくら | 吉野桜 (よしのざくら) | 種名のこと。山に咲く桜全般を指すこともある。:白色、淡紅色 |
八重桜 | やえざくら | 奈良の八重桜 (ならのやえざくら) 牡丹桜 (ぼたんざくら) | 花が重弁(八重咲き)になる品種の総称。まるで鞠のようにふんわりと集まって咲きます:淡紅色、薄紅色、白色 |
躑躅(つつじ)
躑躅(つつじ)も晩春の季語です。こちらでは、躑躅とその別称(季語)を一覧にまとめました。
季語 | 読みかた | 備考:花の色 |
躑躅 | つつじ | ツツジ属の総称のこと。自生種だけでも50種ほどあり、ツツジと言う場合、ヤマツツジやその園芸品種をさすことが多い。 :紅色、淡紅色、紫、紅紫色、白色など。 |
季語『躑躅』の別称
- 大紫(おおむらさき)
- 曙躑躅(あけぼのつつじ)
- 山躑躅(やまつつじ)
- 蓮華躑躅(れんげつつじ)
- ねばつつじ
- 雲仙躑躅(うんぜんつつじ)
- 霧島躑躅(きりしまつつじ)
藤
藤の花は、4月下旬から5月、6月まで咲く美しい藤色の花です。藤の花には数多くの別称(季語)もあります。
季語 | 読みかた | 備考:花の色 |
藤 | ふじ | 日本固有のつる性植物のこと。小花が多数咲き、房となって枝先から垂れ下がる。:紫色、淡紅色、白色 |
季語『藤』の別称
- 藤の花(ふじのはな)
- 藤房(ふじふさ)
- 藤棚(ふじだな)
- 藤波(ふじなみ)
- 八重藤(やえふじ)
- 山藤(やまふじ)
- 白藤(しらふじ)
- 野藤(のふじ)
- 野田藤(のだふじ)
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その他の草木花
こちらでは、『晩春』のそのほかの植物の【春の季語】をご紹介します。
上の写真は満天星の花(どうだんのはな)。まるでスズランのような小さな花を咲かせますが、ツツジ科の植物です。
木の花
こちらでは、『晩春』の木の花にまつわる【春の季語】をあつめました。
写真はエリカ。釣り鐘状に可憐な小さな花をびっしりと咲かせます。
季語 | 読みかた | 別称 | 備考:花の色 |
銀杏の花 | いちょうのはな | 花銀杏(はないちょう) ぎんなんの花、 公孫の花 (こうそんじゅのはな) | 街路樹やお寺の境内などにも多く植えられている。花は目立たない。短い穂状の雄花と、緑色の雌花が咲く。『銀杏の落葉』は冬の季語:淡黄色、緑色 |
鶯神楽 | うぐいすかぐら | 日本の固有種。若葉には暗紫色のふちどりがある。花は細長く、星形のような花弁をひらき、下向きに咲く。:紅色 | |
エリカ | 花は壺形または鐘形で、穂のように枝に多くつく。『ヒース』とも呼ばれて、ハーブとして美容効果も高く重宝されています。:淡紅色、白色、桃紅色 | ||
黄心樹の花 | おがたまのはな | 黄心樹木蓮 (おがたまもくれん) | 常緑樹で、神木とされて神社の境内などによく植えられている。葉の表面には光沢があり、裏側には毛が生えている。3~4㎝ほどの花を咲かせ、芳香がある。花の基部は紫、花は淡黄色。 |
海棠 | かいどう | 花海棠(はなかいどう) 華糸海棠 (はないとかいどう) 海紅(かいこう) 睡れる花 (ねむれるはな) | 中国原産のバラ科の植物。枝は紫色を帯び、枝の先に3~5㎝の五弁花が咲く。:淡紅色 |
楓の花 | かえでのはな | 花楓(はなかえで) もみじ咲く | 日本では約26種の楓が自生する。花は非常に目立たない。新芽に隠れて小花が咲く。:暗紅色 |
樫の花 | かしのはな | ブナ科のカシ類の総称。雄花は穂のように垂れ下がって咲く。雌花は枝の先に数個つく。:淡黄緑色 | |
枸橘の花 | からたちのはな | 枳殻の花 (からたちのはな) | 中国原産、古くから薬用として使われていた。大きめの五弁の花を咲かせ、芳香がある。:白色 |
榠樝の花 | かりんのはな | 西洋榠樝 (せいようかりん) からぼけの花、 メドラー、 | 中国原産で、江戸時代に渡来。五弁の花を咲かせる。果実の『かりん』は秋の季語。:紅色 |
木苺の花 | きいちごのはな | もみじ苺、 下り苺、 粟苺(あわいちご) | バラ科の植物で、山地に自生している。約35種知られている。五弁花を咲かせる。:白色、桃色、紅色など。 |
黒文字の花 | くろもじのはな | クスノキ科の樹木で、樹皮に黒い斑点がある低木。ほとんど目立たない小花を咲かせる。 :淡黄色 | |
桑の花 | くわのはな | やまぐわの花 | 日本各地に自生し、養蚕用としても栽培される木。ジャムなど食用で親しまれている果実は、7~8月頃黒く熟す。花は新芽と同じような色をしていて、ほとんど目立たない。桑、桑の芽、桑畑も春の季語。 |
小粉団の花 | こでまりのはな | 団子花(だんごばな) 小手毬の花 (こでまりのはな) こでまりの花 | 中国原産のバラ科の植物。小さな花が直径3㎝ほどのかたまりで鞠状に集まって咲く。:白色 |
山帰来の花 | さんきらいのはな | がめの木の花、 さるとりいばら、 | つる性の低木。葉っぱの横のあたりに垂れ下がるように小花をたくさん咲かせる。:淡黄緑色 |
山査子の花 | さんざしのはな | メイフラワー | 中国原産で江戸時代に薬用植物として渡来。2㎝ほどの五弁の花を2~6個咲かせる。淡紅色の花はセイヨウサンザシで別種。:白色 |
山査子(さんざし)の花
山査子(さんざし)の実
季語 | 読みかた | 別称 | 備考:花の色 |
樒の花 | しきみのはな | こうの木の花、 はなしば、 はなの木、 | 有毒植物で、とくに果実は猛毒。:黄色みの白色 |
しどみの花 | 草木瓜(くさぼけ) | 日本の固有種で、関東以西、日当たりのよい山林などに自生する。漢方では、この果実を使う。:オレンジみの赤色 | |
白樺の花 | しらかばのはな | 樺の花(かばのはな) かんばの花、 花かんば、 | 本州の岐阜県あたりから以北に自生する。雄花は穂のように垂れ下がるように咲き、雌花は上向きに咲く。:雄花・黄褐色、雌花・紅緑色 |
杉の花 | すぎのはな | 杉の花粉(すぎのかふん) | 日本の特産種。花そのものは目立たないが、花粉で黄色くかすんでいる。 |
鈴懸の花 | すずかけのはな | プラタナスの花、 釦の木(ぼたんのき) | 花は2㎝ほどの球形で、垂れ下がるように咲く。:黄緑色 |
李の花 | すもものはな | 李花(りか) 李散る | 2㎝ほどの五弁花を咲かせる。赤い果実『すもも』は夏の季語。:白色 |
黄楊の花 | つげのはな | 姫黄楊(ひめつげ) あさま黄楊の花 | 葉は厚さがありなめらかで、表面に光沢がある。葉のわきに小花を咲かせる。材木としても広く使われている。:淡黄色 |
梨の花 | なしのはな | 梨花(りか、なしばな) 梨咲く | 清楚で美しい五弁花を咲かせる。:白色 |
満天星の花 | どうだんのはな | 満天星躑躅 (どうだんつつじ) | ツツジ科の植物だが、枝の先にスズランのような小花を、垂れ下がるように咲かせる。:白色、紅色など。 |
郁李の花 | にわうめのはな | 庭梅の花(にわうめのはな) こうめの花 | 梅にくらべて、可憐で可愛らしい印象の五弁の花を咲かせる:淡紅色、白 |
接骨木の花 | にわとこのはな | たずの花、 みやつこぎ、 | 枝の先に密集させながら小花を咲かせる。若芽は食用、枝は薬用として使われる。欧米ではエルダーフラワーと呼ばれ、ポピュラーで歴史のあるハーブ。シロップが有名。 :淡黄色 |
接骨木(にわとこ)の花(エルダーフラワー)
季語 | 読みかた | 別称 | 備考:花の色 |
紫荊 | はなずおう | 蘇芳の花(すおうのはな) | 葉には光沢があり、4月頃、枝に群れて五弁の小花が咲く。 :濃いめの紅紫色 |
花水木 | はなみずき | アメリカヤマボウシ | 北米原産で、5月ころ、枝先に4~6㎝ほどの花を咲かせる。:淡紅、白色、まれに紅色 |
木瓜の花 | ぼけのはな | 花木瓜(はなぼけ) 緋木瓜(ひぼけ) 白木瓜(しろぼけ) 更紗木瓜(さらさぼけ) 蜀木瓜(しょくぼけ) | 中国原産、直径2~4㎝ほどの花を咲かせる。:紅色(緋木瓜)、白(白木瓜)、紅白混じり(更紗木瓜) |
松の花 | まつのはな | 十返りの花 (とがえりのはな) 松の花粉(まつのかふん) | 雄花は、枝の下部に穂のようにつき、雌花は、枝の先端に2、3個つく。花よりも、花粉のようすを詠むことが多い。:茶褐色 |
桃の花 | もものはな | 白桃(しらもも) 緋桃(ひもも) 桃畑(ももばたけ) 桃林(とうりん) 桃見(ももみ) 桃の村、桃の宿 源平桃(げんぺいもも) | 中国原産のバラ科の植物。日本への渡来は古く、古事記にも登場する。五弁の花を咲かせる。:淡紅色、白色、濃紅色、緋色など。 |
山梨の花 | やまなしのはな | 小梨の花(こなしのはな) 鹿梨の花(しかなしのはな) 棠梨の花(やまなしのはな) | 野生種。果樹のナシと花はさほど変わらない可憐な花を咲かせるが、果実は渋くて固い。:白色 |
ライラック |
| リラの花、 紫丁香花 (むらさきはしどい) | 東ヨーロッパ南部の原産で、枝の先に穂のように小花を密集して咲かせる。芳香があり香料としても使われる。:紫、白色、赤、青紫など。 |
山桜桃の花 | ゆすらのはな | 梅桃(ゆすらうめ) 英桃(ゆすら) ゆすら | 中国原産のバラ科の植物で、江戸の頃に渡来。五弁花を咲かせる。赤く丸い果実『ゆすらうめ』は夏の季語。:白色 |
山吹 | やまぶき | 八重山吹(やえやまぶき) 白山吹(しろやまぶき) 濃山吹(こやまぶき) 葉山吹(はやまぶき) | 山野に自生し、渓流沿いに多く見られる。直径4~5㎝ほどの五弁花を咲かせる。山吹色とはこの花からついた色の名前。:濃黄色 |
雪柳 | ゆきやなぎ | 小米花(こごめばな) 小米桜(こごめざくら) こめやなぎ、 噴雪花(ふんせつか) えくぼ花 | 中国原産のバラ科の植物。枝は細目で斜めにしなっている。新芽とともに枝の上の方に、一面に小花を咲かせる。:白色 |
林檎の花 | りんごのはな | 花林檎(はなりんご) | 枝の先に5㎝ほどの五弁花を咲かせる。果実の『林檎』は秋の季語。:白色 |
山吹の花
雪柳(ゆきやなぎ)
草・花
こちらでは、『晩春』の草・花にまつわる【春の季語】をあつめました。
写真はシネラリア。鮮やかな花を咲かせるキク科の植物です。
季語 | 読みかた | 別称 | 備考:花の色 |
青木の花 | あおきのはな | 常緑樹で葉には光沢がある。四弁花の小花を咲かせる。真赤な果実『青木の実』は冬の季語。:緑色、紫褐色 | |
通草の花 | あけびのはな | 木通の花(あけびのはな) 山姫の花(やまひめのはな) 花通草(はなあけび) 通草咲く(あけびさく) | つる性の植物で、淡い紫色の花を咲かせる。果実は6㎝ほどで、熟すと紫色になり、縦にさけて白色半透明の果肉をのぞかせる。:淡紫色 |
薊 | あざみ | 薊の花(あざみのはな) 真薊(まあざみ) 野薊(のあざみ) 眉つくり、眉はき、 浜牛蒡(はまごぼう) | アザミ属の植物の総称で、日本には約80種ほどあるといわれている。葉には鋭い切れ込みがあり、棘もある。晩春以降花を咲かせるものが多く、【夏の季語】としていることもある。:紅紫色 |
馬酔木の花 | あしびのはな | 花馬酔木(はなあしび) あせび、あせぼ、 あせみ | 日本の固有種。壺型の小花を下向きに房状に咲かせる。葉や茎に毒がある。:白色、紅色 |
馬酔木の花(あしびのはな)
季語 | 読みかた | 別称 | 備考:花の色 |
東菊 | あずまぎく | 吾妻菊(あずまぎく) | 茎や葉には白い毛がある。枝の先に直径3㎝ほどの花を咲かせる。:淡紫色 |
アネモネ | 紅花翁草 (べにばなおきなぐさ) はないちげ、 ぼたんいちげ、 | 地中海地方原産の植物で、明治期に日本へ渡来。鑑賞用に広く栽培されている。茎の先に約3~6㎝ほどの花を咲かせる。:赤、青、紫、白色など。 | |
紫羅欄花 | あらせいとう | ストック、 ひめせいとう、 こあらせいとう | 栽培の歴史は古く、ギリシャ、ローマ時代にまでさかのぼる。茎や葉に白い毛があり、十字架形の四弁花をつける。:白色、紅、黄色、淡紫、紅紫。 |
錨草 | いかりそう | 山地の樹木の下に自生。茎の先に四弁花を咲かせる。花の形が船の錨に似ていることからこのような名前が付けられた。:淡紫色。 | |
苺の花 | いちごのはな | 花苺(はないちご) 草苺の花 (くさいちごのはな) 苗代苺の花 (なわしろいちごのはな) 蛇苺の花 (へびいちごのはな) | バラ科の植物で、葉のふちにぎざぎざの切れ込みがある。茎の先に五弁花の花を咲かせる。:白色、紅色 |
一輪草 | いちりんそう | 一花草(いちげそう) 裏紅いちげ (うらべにちげ) | 葉はこまかく裂けていて、茎の先に約4㎝ほどの梅のような五弁花を咲かせる。花びらに見えるのは実は、5枚の蕚(がく)。一本の茎に一輪の花を咲かせるので一輪草という名になった。:白色 |
苜蓿 | うまごやし ・もくしゅく | 紫うまごやし、 クローバー、 しろつめぐさ、 | ヨーロッパ原産の帰化植物で、海辺などに自生する。蝶のような形の小花を咲かせる。おなじマメ科の植物で、シロツメクサのことを苜蓿ということもある。:黄色 |
化偸草 | えびね | 海老根(えびね) 藪えびね、 山うばら、 鈴ふり草、 黄えびね、 | 直径3㎝ほどの花を横向きに10個くらい咲かせる。花びらの外側は、紫褐色、内側は白、まれに黄色がある。:白色、黄色、紫褐色(外側) |
豌豆の花 | えんどうのはな | つる性の植物。茎の先に小花を1~5個つける。:紫色、白色 | |
オキザリス | はなかたばみ、 花かたばみ、 | カタバミ属の総称。:紅色、黄、白、桃色 | |
翁草 | おきなぐさ | 白頭翁(はくとうおう) うばがしら、 しゃぐまさいこ、 ぜがいそう、 ねこぐさ、 | 山地の日当たりのよい場所に生える。葉はこまかく裂けていて、全体に白い毛が生えている。花びらに見える6枚の蕚があり、その外側には毛が生えている。果実は白い羽毛状で、これを老人の白髪に見立て、このような名前がついて。現在は絶滅が危惧されている。:暗褐色 |
苧環の花 | おだまきのはな | いとくり、 糸繰草(いとくりそう) | 花の形が麻糸を丸く巻いて中を空洞にした糸巻き(苧環)に似ていることからこのような名前がついた。:青紫色、白、黄色 |
苧環の花(おだまきのはな)
季語 | 読みかた | 別称 | 備考:花の色 |
垣通 | かきどおし | 連銭草(れんせんそう) 疳取草(かんとりそう) 馬蹄草(ばていそう) | 野原や道端に自生している。全体に毛があり、葉や茎に芳香がある。:淡紫色 |
霞草 | かすみそう | 群撫子(むれなでしこ) こごめなでしこ | 茎は多く枝分かれしており、春に1㎝ほどの五弁花をつける。:白色、紅色など。 |
狐の牡丹 | きつのねのぼたん | 毛茛(もうこん) | 有毒植物で、湿った山林内などに生える。葉は裂けてふちにギザギザがある。茎の先に五弁花を咲かせる。:黄色 |
金盞花 | きんせんか | 常春花(じょうしゅんか) 長春花(ちょうしゅんか) どきしらず、 唐金盞(とうきんせん) | 全体がやわらかい毛におおわれている。枝の頭に5㎝ほどの花を咲かせる。花は朝に咲き、夕方には閉じる。:赤みの黄色、淡黄色など。 |
金鳳花 | きんぽうげ | 金鳳華(きんぽうげ) 毛茛(きんぽうげ) うまのあしがた、 | 日当たりのよい山野に自生。茎に白い毛があり、葉は裂けている。有毒植物だが、薬用としても活用されている。:黄色 |
金鳳花(きんぽうげ)
季語 | 読みかた | 別称 | 備考:花の色 |
金蘭 | きんらん | 山地の林内に自生。茎の先に1.5㎝ほどの花を咲かせる。:黄色 | |
熊谷草 | くまがいそう | 布袋草(ほていそう) ほろかけぐさ、 おおぶくろばな、 くまがえそう、 | 日本の固有種。茎には毛があり、10㎝ほどの大きな特徴的な花を茎の先に咲かせる。:白黄色に紅紫色の斑点 |
華鬘草 | けまんそう | 華鬘牡丹(けまんぼたん) 藤牡丹(ふじぼたん) 鯛釣草(たいつりそう) けまん | 全体が灰緑色で、下向きに袋状の小花を連ねて咲く。:淡紅色 |
紫雲英 | げんげ | 蓮華草(れんげそう) 五形花(げげばな) げんげん、 げんげ田 | 田畑や土手、野原などに自生。1.5㎝ほどの小花を5~10個咲かせる。:紅紫色 |
桜草 | さくらそう | プリムラ、 化粧桜(けしょうざくら) 雛桜(ひなざくら) 常盤桜(ときわざくら) 一花桜(いちげざくら) 楼桜(やぐらざくら) | 全体に白い毛が覆い、葉にはシワがある。2~3㎝ほどの花を数個つけて咲く。:紅紫色、淡紅、白、紅色、紫や絞りなども。 |
座禅草 | ざぜんそう | 達磨草(だるまそう) | 湿地に生える多年草で、悪臭がある。形態はミズバショウによく似ている。:紫褐色 |
三色菫 | さんしきすみれ | 遊蝶花(ゆうちょうか) 胡蝶花(こちょうか) パンジー、 ヴィオラ | ヨーロッパ原産で江戸期に渡来。五弁花を咲かせる。:紫・黄・白、紫・黄・青など、さまざまな組み合わせがある。 |
シクラメン | 篝火草(かがりびそう) | ※最近は促進栽培により、冬の季語として詠まれることも多い。 | |
シネラリア | 白妙菊(しろたえぎく) 富貴菊(ふうきぎく) 蕗菊(ふきぎく) 蕗桜(ふきざくら) しゅんとう菊 サイネリア | 茎の先に小菊に似た花を多数咲かせる。:紅、紫、藍、桃、白など | |
芝桜 | しばざくら | 花爪草(はなつめぐさ) モスフロックス | 芝のように地面をはうように成長し、花は桜に似た直径1cmほどの小花を一面に咲かせる。:ピンク、白色、青紫、紅色など。 |
十二単 | じゅうにひとえ | 日本原産種。茎の先に小花を多数つけて咲く。:淡紫色 | |
猩々袴 | しょうじょうばかま | 湿った山林内などで自生する多年草。:紅紫色、濃紫色 | |
スイートピー | 麝香連理草 (じゃこうれんりそう) 麝香豌豆 (じゃこうえんどう) におい豌豆 | イタリア・シチリア島原産の植物。茎の先に芳香のある大型の花を2~4個咲かせる。:白、淡紅、紅紫、橙、青、紫など。 | |
スノーフレーク | 鈴蘭水仙 (すずらんすいせん) 大松雪草 (おおまつゆきそう) | 茎の先にスズランに似た花を3~4個下向きに咲かせる。:白色 | |
大根の花 | だいこんのはな | 花大根(はなだいこん) | 4~5月ごろ、十字型の花を咲かせる。『大根をまく』は夏の季語で、『大根』『大根を干す』『大根洗う』は冬の季語:白色、淡紫色 |
父子草 | ちちこぐさ | 山野や道端に自生。茎や葉に白い毛が生えている。姿形が母子草に似ていることからこのような名前がついた。:赤褐色 | |
チューリップ | 牡丹百合(ぼたんゆり) うこん香(うこんこう) | 観賞用として親しまれている花。中央から伸びた茎に六弁の花を咲かせる。:赤、白、黄、橙、紅、紫、薄ピンクなど。 | |
二輪草 | にりんそう | 鵝掌草(がしょうそう) | 湿り気のある場所に群生する。全体にまばらな毛がある。葉は深く裂けて、表面に白い斑点がある。茎の先に梅に似た花を咲かせる。花びらに見えるのは蕚。:白色 |
二輪草
季語 | 読みかた | 別称 | 備考:花の色 |
菜の花 | なのはな | 花菜(はなな) 菜種の花(なたねのはな) | 茎の先に十字型の花を密集して咲かせる。:黄色 |
葱坊主 | ねぎぼうず | 葱の花(ねぎのはな) 葱の擬宝(ねぎのぎぼ) | 葉の間から伸びた茎の先端に球形に小花を咲かせる。たんに『葱』という場合は冬の季語となる。:白緑色 |
母子草 | ははこぐさ | ほうこ草、 ほうこ、ははこ | 道端や畑などに自生している多年草。母子草とは、春の七草のオギョウ(ゴギョウ)のこと。オギョウ(ゴギョウ)という場合は、新年の季語になる。:淡黄色 |
春竜胆 | はるりんどう | 日当たりのよいやや湿り気のある山野などに自生する。:青紫色で花の奥は白 | |
筆竜胆 | ふでりんどう | 日当たりの良い山野に自生。葉の裏は赤紫色を帯びている。 :青紫色 | |
二人静 | ふたりしずか | 狐草(きつねぐさ) 早乙女花(さおとめばな) | 茎の先から2~3本の茎を出して小花を点々と咲かせる。:白色 |
フリージア | 香雪蘭(こうせつらん) 浅黄水仙 (あさぎずいせん) | 葉は細くて先がとがったような形。茎の先に上向きに数個の花を咲かせる。:黄色、白、紅、紫、桃色など。 | |
ヘリオトロープ | 香水木(こうすいぼく) においむらさき | 花はバニラのような甘い芳香をはなつ。2年目以降は茎が木質化していく。:紫色、白色 |
ヘリオトロープ
季語 | 読みかた | 別称 | 備考:花の色 |
蝮蛇草 | まむしぐさ | 蛇の大八 (へびのだいはち) 山蒟蒻(やまこんにゃく) | 茎に紫褐色の斑点がある。白いスジのある花状の仏焔苞(ぶつえんほう)をつける。有毒植物で、根は薬用に使われる:紫褐色 |
豆の花 | まめのはな | 蚕豆の花 (そらまめのはな) | 豆は、マメ類全体を指す言葉だが、古くはソラマメを指していた。葉のわきに数個の花を咲かせる。花びらには黒の斑点がある。:白色、淡紫色 |
まるめろの花 | ベルシャ、トルキスタン地方原産の植物。5月ころ、直径4~5㎝の五弁の花を咲かせる。梨やリンゴに似た果実は生食には向かないが、ジャムなど加工される。:白色、淡紅色 | ||
都忘れ | みやこわすれ | 野春菊(のしゅんぎく) | 葉のふちにギザギザがあり、枝の先に4㎝ほどの花をつける。中央が黄色、花びらは青紫や白など。:青紫色、白、桃色、濃紫など。 |
郁子の花 | むべのはな | 野木瓜(のむべ)のはな うべの花、 常盤木通の花 (ときわあけびのはな) | つる性の植物。葉のわきに3~5個下向きに花が咲く。:白色、淡紫色 |
勿忘草 | わすれなぐさ | わするな草、 藍微塵(あいみじん) ミヨソティス | 茎の先に小花を多数咲かせる。:瑠璃色、白、桃色など。 |
勿忘草(わすれなぐさ)
まとめ
今回は『晩春』の【春の季語】をご紹介させていただきました。
『晩春』とは、二十四節気の清明の4月4日~立夏の前日5月5日ころまでのことをいいます。『晩春』には数多くの草木、花にかんする【春の季語】があります。
知らない花も、身近な花も、さまざまあったと思いますが、ことば(季語)を通して春の植物を知る機会にもつながれたら幸いです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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