【夏の季語】『夕焼け』はいつの季語？季節ごとの『夕焼け』と俳句をご紹介します！

『夕焼け』ときいて、あなたはどんな情景を思い浮かべるでしょうか？

『夕焼け』は、太陽が西の空に沈むときに、空を茜色に染める現象のこと。

太陽が沈んだあともしばらく空を真赤に染めている様子は、なにか哀愁をも感じます。

この『夕焼け』は、どの季節でも見られる現象ですが、実は季語の世界では、
【夏の季語】。

今回は、この『夕焼け』にまつわる季語や俳句をご紹介していきます！

『夕焼け』は夏の季語

太陽が傾きはじめて、空全体が真っ赤に染まる『夕焼け』は、いつ見ても美しいものです。

どの季節でも見られる景色ですが、
『夕焼け』という言葉は、【夏の季語】です。

あらためてですが、『夕焼け』とはつぎのようなことをいいます。

日没のころ、日光の反射で西の空が赤く見える現象のこと。夕映えともいう。
（出典：旺文社国語辞典）

『夕焼け』とは、日が西に沈む間際におこる太陽光の散乱現象のことです。

とくに夏の日照り続きの夕暮れは、西の空が真っ赤に染まり、黄金色を帯びてゆきます。それは、とても雄大な景色です。

このように、西の空が晴れ上がり、茜色に染まることは、翌日の晴天を予兆しているともいわれています。

おかめ

『夕焼け』って、
夏の季語にゃんだな。

ぽんた

じゃあ、ほかの季節の
『夕焼け』はどうなるにゃ？

『夕焼け』ということば自体は、
【夏の季語】ですが、ほかの季節にも
『夕焼け』にかんする言葉があります。

こちらでは、春、秋、冬の『夕焼け』にかんする季語をご紹介します！

春の『夕焼け』をあらわす季語です。

春の季語	読みかた	意味
春の夕焼	はるのゆうやけ	春独特のやわらかな感じのする夕焼けのこと。
春夕焼	やるゆうやけ	上記におなじ
春茜	はるあかね	春の夕暮れ、空が茜色になること。春の夕焼けの美しい空のこと。

秋の『夕焼け』をあらわす季語です。

冬の『夕焼け』をあらわす季語です。

冬の季語	読みかた	意味
冬の夕焼	ふゆのゆうやけ	冬に見られる夕焼けのことで、時間は短いが、鮮烈な色に燃えて美しい。
冬夕焼	ふゆゆうやけ	上記に同じ。
寒夕焼	かんゆうやけ	寒中の夕焼けのこと。
冬茜	ふゆあかね	冬の夕焼けのことで、鮮烈で燃えるような色は実に美しい。
寒落暉	かんらっき	寒中の夕日のこと、入日のこと。

こちらでは、『夕焼け』に関する季語を使った俳句をご紹介します！

遠き日のことのごとしや夕焼けて
（とおきひの　ことのごとしや　ゆうやけて）
加藤楸邨

一切の記憶なき町春夕焼
（いっさいの　きおくなきまち　はるゆうやけ）
中村汀女

春夕焼土積むトラック坂のぼる
（はるゆうやけ　つちつむとらっく　さかのぼる）
桜井博道

雪山に春の夕焼滝をなす
（ゆきやまに　はるのゆうやけ　たきをなす）
飯田龍太

招かれて秋夕焼の畳かな
（まねかれて　あきゆうやけの　たたみかな）
岸本尚毅

京路地のかごめかごめや秋夕焼
（きょうろじの　かごめかごめや　あきゆうやけ）
山田和

秋夕映えの真顔ばかりが　揺られをり
（あきゆうばえの　まがおばかりが　ゆられをり）
森澄雄

むらさきの冬夕焼を掌にすくふ
（むらさきの　ふゆゆうやけを　てのひらにすくう）
古舘曹人

冬夕焼きりきり炎えてぺかと消ゆ
（ふゆゆうやけ　きりきりもえて　ぺかときゆ）
山口青邨

寒夕焼人をもてなす葱買ひに
（かんゆうやけ　ひとをもてなす　ねぎかいに）
鈴木真砂女

今回は、【夏の季語】の『夕焼け』と、
そのほかの季節の『夕焼け』に関する季語と俳句をご紹介させていただきました。

『夕焼け』には季節ごとの美しさがあります。

日本語には、その季節ごとの美しい
『夕焼け』をあらわす言葉（季語）があります。

これらの言葉（季語）が、あなたのことばの表現にお役にたてれば幸いです。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。