『間抜け』とはどんな人?その語源や『馬鹿』との違いも解説します!

ことばの豆知識

【間抜け】な人とは、どんな人のことをいうのでしょうか?

あなたは【間抜け】という言葉の意味を自信をもって言えますか?ふだん何気なくつかっている言葉でも、いざ、意味を言葉にしようとすると出てこなかったりします。

 

そして、【間抜け】と【馬鹿】の違いはわかりますか?!
今回は、この【間抜け】の意味語源、さらに【馬鹿】との違いなどを解説していきます!

よかったら参考にしてくださいね。

 

『間抜け』の意味

【間抜け(まぬけ)とは、つぎのような意味になります。

  • 考えや行動にぬかりのあること。
    気が利かないこと。また、そのようなさまやそのような人のこと。

    (出典:三省堂大辞林)
  • することにぬかりのあること。
    また、そのような人のこと。

    (出典:語源辞典形容詞編)
  • なにかを行ったとき、大事なところが足りず完成していない状態
    および、そのようなことをする人。
    注意力が足りない人。

    (出典:Wiktionary日本語版)
このように【間抜け】の意味をみていくと、
気が抜けていて、脇が甘い人。詰めも甘く、注意も散漫な人が思い浮かびます。

 

『間抜け』の語源

つぎに【間抜け】の語源についてご紹介します。つぎのとおりです。

  • 『間抜け』は、『間ガ抜ケル』から用いられるようになったもので、原義は、拍子が抜ける、調子が外れることをいう。
    そこから、手抜かりがある意を表すようになった。

    (出典:語源辞典形容詞編)
  • 『間』は、芝居や音楽での拍子や調子といった意味。
    この間が抜けると芝居の雰囲気がくずれ、音楽も変な調子になってしまう。

    そこから、動作や会話などにおいて他人と歩調が合わず、テンポの狂ってしまう人を、ぼんやり者、うすのろという意味で『間抜け』といった
    (出典:語源ものしり辞典)

 

【間抜け】の『間』は、芝居や音楽での調子や拍子をいいます。芝居や音楽での『間』は、全体の調和を保つためにもとても大切なものです。

それが『抜ける』ことにより、調子が崩れ、リズムもテンポもくるってしまう。

そのような状態を『間が抜ける』⇒【間抜け】といい、

 

考えや行動に手抜かりのあるさまや、調子が狂うような鈍い人をさすようになりました。

 

『馬鹿』との違いは?

こさめ
こさめ

【間抜け】な人って、

ちょっと気の抜けた、

鈍感なのんびりやさんだにゃあ。

お馬鹿さんとの違いはにゃに?

ぽんた
ぽんた

そこで、【間抜け】と【馬鹿】の

違いを調べてみたにゃ!

 

『馬鹿』の意味・語源

馬鹿(バカ)の意味は、つぎのとおりです。

  1. 知能の働きがにぶいこと(さま)。また、そのような人のこと。
  2. 道理・常識からはずれていること。常軌を逸していること。そのさま。
  3. 程度が並外れているさま。度がはずれているさま。
  4. 役にたたないさま。機能を果たさないさま。
  5. 特定の物事に熱中するあまり、
    社会常識などに欠ける。
  6. 名詞・形容詞・形容動詞の上について、接頭語的に用い、度がはずれている様をあらわす。
    ex.『バカ正直』『バカ真面目』など。
    ①並外れてお人よしなさまを親しみを込めていう。
    ②「そんなばかな」の形で、その事態が成立するはずがないという意と、驚きあきれた気持ちをこめていう。
    (出典:三省堂大辞林)

【馬鹿】の意味は、思いのほか、たくさんあります。状況や捉え方によって、使い方やあらわす意味も違ってきます。

 

一般的に【馬鹿】には、ネガティブなイメージが強くありますが、親しみや思い(感情)をこめてつかうシーンもあります。

ちなみに、この【馬鹿】という漢字は、当て字です。

 

つづいて、【馬鹿】の語源について解説します。

  1. 梵語のmoha(モハ・愚か者の意)が転じたもの
    梵語のmoha(モハ)は、中国で莫何(バカ)、莫迦(バクカ)などの漢字を当て、それが日本に入って「ばか」と読まれるようになった。
  2. 梵語のmahallaka(マカラ・摩訶羅・無知の意)が転じたもの
  3. 「破家者」から転じて、「破家」から今日の「馬鹿」になったという説
    「破家」とは、破産と同じ意で、家の財産をつぶすほどの愚か者という意味。
  4. 馬鹿者を表現する方言から転じたという説
    馬鹿を指す方言には、つぎのようなものがある。
    【ホッコ、ホッコサク、ボッケ、ホッコマイ】
    オコ⇒ホコ⇒ボコ⇒バカと変化したのではないかといわれている。
    オコとは、愚かという意味で「尾籠(オコ)」と書く。「尾籠(ビロウ)」と音読みすることもある。これは、けがらわしい、きたないなどの言葉のおこりである「尾籠の話」のこと。
    (出典:語源ものしり辞典)

 

このように【馬鹿】の語源には、いくつかの説があります。どの説であっても、根本的には、『愚か』や『無知』を意味しています。

 

 

『間抜け』と『馬鹿』の違い

結局のところ、【間抜け】と【馬鹿】の違いは何かというと、それぞれの意味や語源から、

 

【間抜け】は行動に対して、『ぬかり』があることを指し、

一方、【馬鹿】はそのものの『愚かさ』や『頭の鈍さ』、『未熟さ』を指しているという違いがあります。

 

【馬鹿】という言葉の方が、ネガティブが強いといえるのではないでしょうか。

【間抜け】ネガティブ弱め >【馬鹿】ネガティブ強め

 

【間抜け】には、少し笑いを含むような愛嬌のようなものがあり、心にも余裕のある態度が見え隠れします。

 

しかし、【馬鹿】には、あまりそのような余裕がみあたりません。

 

ただし【馬鹿】という言葉でも、使い方によっては、感情とともに愛情を言葉にのせてぶつけるようなシーンもあります。

例えばこんな感じです。

★女性が恋人に向かって言うとき
『なんで私のこの気持ちがわからないの!あなたなんて大嫌いよ、バカバカバカ!!』

この女性は、決して男性のことを馬鹿だと思っていません。

むしろ大好きです。

このように、【馬鹿】という言葉は、愛情と期待を込めて使う場合もあります。

しかし、往々にして、愚かなことや愚かな者に対して、手厳しい態度であるのが、【馬鹿】という言葉といえるでしょう。

 

まとめ

今回は【間抜け】という言葉について、【馬鹿】との違いも含めて解説させていただきました。

要点をまとめるとつぎのとおりです。

  • 間抜け】の意味は、『間が抜ける』ということから、『手抜かりのある』人やことをいうようになりました。
  • 馬鹿】の意味は、『愚かさ』や『頭の鈍さ』など。
  • 【間抜け】はその気の抜けた行動をさしていう言葉ですが、【馬鹿】は、もっと根本的な、その人自身などをさしていいますので、【馬鹿】の方が、よりネガティブが強い言葉といえます。

最後までお読みいただきましてありがとうござました。

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