『とことん追求する!』などの【とことん】という言葉。
別の言葉で言い換えると、『徹底的に追求する!』というような意味になりますが、
この【とことん】という言葉、音のリズムが調子よく、使いやすい言葉だと思いませんか?
なぜ、このような言葉が使われるようになったのでしょうか?
疑問をもつととても気になりますね。
今回は、この【とことん】という言葉の意味やその語源、類語や使い方について徹底的に解説していきます!
『とことん』の意味
【とことん】の意味は、つぎのとおりです。
- 最後の最後に及ぶこと。徹底的に。
(出典:岩波国語辞典) - 物事の終わり。終末。最後。どんづまり。
(出典:三省堂大辞林)
『とことん』の語源・由来について
つぎに、【とことん】の由来・語源についてご紹介します。
【とことん】の由来(語源)は、つぎのとおりです。
(出典:語源ものしり辞典)
【とことん】という言葉は、日本舞踊などの踊りの足拍子が由来です。
かかとで踏む足のリズム、調子の
『トコトン、トコトン』という音からできた言葉です。
だから、語感がとても軽妙で小気味がいい。
この『トコトン』ですが、
『トコ』は、床(とこ)からきています。
『トン』は、床に足をつけたときに出る擬音(音)が語源です。
元来、【とことん】という言葉は、日本舞踊などの足拍子が由来(語源)ですが、近世ではつぎのようなものがあり、意味合いも若干変化していきます。
『東海道中膝栗毛』(19世紀初・十返舎一九著)に、「トコトントコトンと、はやしてくれっしゃい」の例がある。トコトコ、トントンと同じ擬音語であろう。
これが明治初年の『とことんやれ節』によって一般に広まり、この歌が軍歌であったことも関係してか、以降次第に「最後まで、徹底的に」の意味の副詞として使われるようになった。
(出典:なるほど語源辞典)
このように、【とことん】という言葉は、
民謡の囃子詞として使われ、
軍歌『とことんやれ節』でさらに広まり、現在のような使い方に定着しました。
『とことんやれ節』(1868年)は、大村益次郎(長州藩の医師・西洋学者・兵学者)が曲をつくり、長州藩士で、官軍東征時には参謀となった品川弥二郎が歌詞をつくった軍歌です。
こちらに『とことんやれ節』の動画がありましたので、
興味のある方は聴いてみてくださいね^^
【とことん】って、踊りの音から
できた言葉なんだにゃ。
つぎは【とことん】の
言い換えや使い方を紹介するにゃ!
『とことん』の類語
【とことん】を別の言葉に言い換えるとき、意味の構成要素を考えて言葉を選ぶと、比較的ぴったりとしたものを選ぶことができます。
【とことん】の類語について、4つの要素別にそれぞれご紹介します。
例文は【とことん】を使ったものと、下の段に、言い換えで表現したものをご紹介します。
①完全に終わるまでやり続けるさま
完全に終わるで、継続してやり続けるようなときに使う表現の類語です。
終わりまで、行けるところまで、
ギリギリまで、貫く
- 私は体力の限り、道なき道をとことん歩き続けた。
- 私は体力の限り、道なき道を行けるところまで歩き続けた。
②選択して集中していくさま
あるひとつの物事に集中しておこなうときに使う類語です。
必死に、ひたすらに、徹底的に、
ただひたすらに、一途に、
根詰めて、根気よく、一生懸命に、
思いをこめて、専心する
例文)
- 私は、とことん絵を描き続けた。
- 私は、ただひたすらに絵を描き続けた。
③思いや望みが満たされるさま
思いや望みが満たされ、満足できるところまでという状況のときに使う類語です。
思いの限り、満足のいくまで、
堪能するまで、存分に
例文)
- 私たちは、とことんお互いの意見を交換し話し合った。
- 私たちは、気の済むまでお互いの意見を交換し話し合った。
④勢いがあり量の多いさま
勢いがある様子や量の多い状況をあらわす類語です。
がっつり、一気に
例文)
- 1袋100円の詰め放題のじゃがいもを、私は入りきるまでとことん袋に詰めた。
- 1袋100円の詰め放題のじゃがいもを、私は入りきるまで思いっきり袋に詰めた。
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まとめ
【とことん】という言葉について、ご紹介させていただきました。
【とことん】は、日本舞踊の足拍子が由来の言葉です。
その後、『とことんやれ節』という軍歌で広がり、現在のような意味で定着しました。
【とことん】とは、最後までやり抜くようなさまや、目いっぱい、心行くまでなど、何事も徹底的に貫く様子をあらわす言葉です。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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