【冬の季語】『冬ざれ』の意味とは?俳句や冬枯れ風景をあらわす類語もご紹介!

冬の季語

冬になると草木が枯れて、木々の葉は落葉となり、風景はどことなくもの悲しい情景がひろがります。

このような風景のことを『冬ざれ』といいます。

あなたは、この『冬ざれ』という冬の季語をご存知でしょうか?

今回は、この『冬ざれ』という冬の季語や俳句、おなじような意味合いの類語をご紹介します!

 

『冬ざれ』意味

『冬ざれ』とは、【冬の季語】意味は、つぎのとおりです。

冬になって草木が荒れ、山野小沼など一面の景色が蕭然としているさまのこと。
出典:『角川俳句 大歳時記 冬』
※蕭然…もの寂しく、ひっそりとしたさま。

 

『冬ざれ』とは、【冬の季語】で、

三冬(さんとう・みふゆ)の季語です。

 

ちなみに三冬とは、二十四節気
立冬(11月8日頃)から立春の前日(2月3日頃)までのことをいい、これが冬の季語の期間です。

 

意味でご紹介したとおり『冬ざれ』とは、冬の枯れの野のような、風物が荒れ果ててもの寂しい様子のことをいいます。

このような草木が枯れはててひっそりとしたさまは、冬の風物詩のひとつですよね。

 

こさめ
こさめ

冬の蕭然とした風景を
『冬ざれ』っていうんだにゃあ。
さみしい風景だにゃ。

ぽんた
ぽんた

確かに寂しい風景だにゃぁ。
つぎは『冬ざれ』の俳句と

類語を紹介するにゃ!

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『冬ざれ』の俳句

冬の季語『冬ざれ』をつかった俳句をいくつかご紹介します。

冬ざれや 樹々の数ふべき 筑波山 
与謝蕪村
冬ざれや 樹々の数ふべき 筑波山 
与謝蕪村
冬ざれや 路面電車の きしむ音
水原春郎
冬ざれや 木に凭れれば 木のあたたかき
鷹羽狩行
冬ざれや 雨にぬれたる 枯葉竹
永井荷風
冬ざれや 雨貴船の宮の 手水鉢
井上洛山人
山国や 冬ざれてゐる 畑の土
渡辺水巴
舗道あり なほ冬ざれの田を列ね
加藤楸邨
冬ざれや 房々として 実南天
日野草城
温泉の香して 栃の木薬師 冬ざるる
堀口星眠
風荒びゐし 庭いつか  冬ざるる
稲畑汀子
手を入れぬ庭 あるがまゝ 冬ざるゝ
稲畑汀子
空の色 雲の疾さに 冬ざるる
稲畑廣太郎

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『冬ざれ』類語

こちらでは、『冬ざれ』の類語にあたる、冬枯れの風景をあらわすような【冬の季語】とそれぞれ俳句を3選をご紹介します。

 

冬野

《意味》
荒涼として、物寂しい冬枯れの野のこと。
類語)冬の野、冬の原、雪の原、雪原(せつげん)
土までも 枯てかなしき冬野
高井几董

 

玉川の 一筋光る冬野かな
内藤鳴雪

 

いちはやく 白山覚めし冬野かな
金尾梅の門

 

枯野

《意味》
草が枯れ果てた冬の野原のこと。
類語)枯原、裸野(かれの)、枯野道、枯野原

 

旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る
松尾芭蕉

 

くま笹の うき世見あはす枯野かな
野沢凡兆

 

遠方や枯野の小家の 灯の見ゆる
小林一茶

 

くだら野

《意味》
もともとは「百済野」と書いて、地名であったが、それを朽ちた野の意味の朽野と誤読したことから、樹木や草木が枯れはて、荒涼とした冬の野として定着したことば。
※朽野(くだらの)とも書く。

 

くたら野の 果てや梓の 弓の音
蝶夢

 

くたら野や 人を喰ふと 鳴く鳥
小林一茶

 

朽野の 雀とならば たのしからう
大石悦子

 

枯園

《意味》
草も木も枯れつくした冬の園のこと。
類語)冬の園、冬の庭、冬庭、枯庭、寒園(かんえん)、庭枯る

 

枯園の 音なきひゞき すさまじき
国弘賢治

 

放心の 石ひとつ置く枯の庭
新関淑郎

 

枯園に 何か心を置きに来し
中村汀女

 

枯葉

《意味》
冬に入って草木の葉の枯れたさまのこと。
一ひらの 枯葉に 雪のくぼみをり
高野素十

 

みなだまりしときや 枯葉のうらがへる
加藤楸邨

 

夕照にひらつく 磯の枯れ葉かな
向井去来

 

冬木

《意味》
『冬木』は『ふゆき』と読む。冬の木々のこと。落葉樹、常緑樹どちらのこともいうが、いかにも冬らしいと感じるのは、やはり葉を落とした落葉樹だろう。

 

売家に つんと立ちたる 冬木かな
小林一茶

 

汽車過ぎて いよいよ暮色 一冬木
森 澄雄

 

夜は星を 梢に散りばめ 冬木かな
市堀玉宗

 

冬木立

《意味》
冬の落葉した木々のことをいう。
類語)寒林(かんりん)

 

冬木立 いかめしや 山のたたずまひ
椎本才麿

 

灯せば 影は川こす 冬木立
紫暁

 

寒林の 陽を見上げては 眼をつぶる
飯田蛇笏

 

まとめ

今回は、冬の季語『冬ざれ』と冬枯れの風景をあらわすような類語についてご紹介させていただきました。

草木が枯れて、蕭然としたもの悲しい風景は、冬ならではのものですよね。

【冬の季語】にはそのような景色をあらわす言葉が数多くあります。

ぜひ、冬の風景をことばで表現するときの参考にしてくださいね!

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

※参考図書:『角川俳句大歳時記 冬』

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