【雨の季語】冬編・冬の季節に降る雨は時雨が多い?言葉と意味の一覧

ことばの表現

あなかは『時雨』ってどんな雨か知っていますか?

『時雨』とは、晩秋から冬にかけて、降ったりやんだりする雨のことをいいます。

『時雨』は冬の季語

冬の雨の季語には、この『時雨』がつく言葉が実に多くあります。

ほかにも冬の雨らしいことばがいろいろ。

今回は、風情ある冬の雨の季語や言葉をあつめました。
情緒あふれる言葉から、冬の季節に降る雨をイメージしてみてくださいね!

 

【雨の季語】冬編・一覧

冬の【雨の季語】を3つのカテゴリーにわけて、季語と意味を一覧にまとめました。

『時雨』がつく季語

時雨は晩秋から冬にかけて、降ったりやんだりする冬の季節に降る雨のことで、冬の季語です。

こちらでは、この『時雨』がつく【雨の季語】をあつめました。たくさんありますよ!

雨の季語意味
1.時雨(しぐれ)晩秋、初冬のころ、降ったりやんだりを繰り返す通り雨のこと。
2.朝時雨(あさしぐれ)朝に降る時雨のこと。
3.夕時雨(ゆうしぐれ)夕方に降る時雨のこと。
4.片時雨(かたしぐれ)片方の空から時雨が降り、他方では日がさしているような状態のこと。
5.小夜時雨(さよしぐれ)夜に降る時雨のこと。
6.初時雨(はつしぐれ) その年はじめて降る時雨のこと。
7.村時雨(むらしぐれ) いっとき激しく降って、通り過ぎていく時雨のこと。『叢時雨』『群時雨』とも書く。
8.横時雨(よこしぐれ) 風に吹かれ、横なぐりに降っている時雨のこと。
9.北時雨(きたしぐれ)
 北の方角から降り出してくる時雨。北風にのってくる時雨のこと。
10.北山時雨(きたやましぐれ) 京都の北山から降ってくる時雨のこと。
11.山茶花時雨(さざんかしぐれ) 山茶花が咲くころに降る時雨のこと。
12.めぐる時雨(めぐるしぐれ) 連峰の山々にあたって向う側に雨を降らせた雲が、山越えしてきてこちら側もしぐれること。
13.雪時雨(ゆきしぐれ) 時雨がいつのまにか雪混じりとなり、降ったりやんだりすることをいう。
14.時雨傘(しぐれがさ) 時雨が降る中でさす傘のこと。
15.時雨癖(しぐれぐせ) 時雨の時期に、癖がついたように降る回数や日数が多くなること。
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ルル
ルル

『時雨』って、
冬の季語なんだにゃ。

ぽんた
ぽんた

冷たい雨の言葉は
ほかにもあるから、

つぎに紹介するにゃ!

冷たい雨の季語【晩冬】

晩冬、おもに12月頃に降る雨は、雪や霙まじりでとても冷たい雨

そんな冬の季節の『冷たい雨』をあらわした【雨の季語】をあつめました。

雨の季語意味
1.氷雨(ひさめ)冬の凍るように冷たい雨のこと。
2.雨氷(うひょう)非常に冷却した雨が、木の枝などに降り注ぎ、それがすぐに凍って、木や葉が氷につつまれるさま。
3.(みぞれ)雨まじりの雪のこと。
4.凍雨(とうう) 冬の季節に降る凍りつくような冷たい雨のこと。
5.寒九の雨(かんくのあめ) 寒に入って9日目に降る雨のこと。
6.寒の雨(かんのあめ) 寒の時期、一年でもっとも寒い時期に降る雨のことで、冬枯れの野山に降りかかり、いっそう荒涼とした景色を現出する。
7.水雪(みずゆき)霙のことをさし、新潟県、香川県、広島県、熊本県天草、大分県地方のことば。
8.雪雑り(ゆきまじり) 雪まじりの雨のこと。
9.冬至雨(とうじあめ) 冬至の日の雨のこと。冬至は、二十四節気のひとつで、12月22日ごろのことをいう。

 

 

その他・冬の雨の季語

最後に、冬の季節をあらわすその他の
【雨の季語】をご紹介します。

雨の季語意味
1.鬼洗い(おにあらい)大みそかに降る雨のこと。
2.富正月(とみしょうがつ)『御降り(おさがり)』の別称で、元旦の雨を豊作の前兆とみなして喜ぶことば。
3.しまき強風をともなった時雨のこと。
4.山茶花ちらし(さざんかちらし) 山茶花の花を散らして降る雨のこと

 

※こちらの記事では、ほかの季節の【雨の季語】をご紹介しています。
>>【雨の季語】春編・春の雨の言葉一覧
>>【雨の季語】夏編・夏の雨の言葉一覧
>>【雨の季語】秋編・秋の雨の言葉一覧

 

【雨の季語】冬編・使い方

冬の季節の【雨の季語】を使った俳句をご紹介します。季語(言葉)を使うときの参考になれば幸いです。

しぐるる しぐるる山へ 歩み入る
(種田山頭火)
※『しぐるる』は『時雨るる』
うしろすがたのしぐれてゆくか
(種田山頭火)
沈み行く 夜の底へ底へ 時雨落つ 
(種田山頭火)
うちさやぐ 時雨の竹の 青さかな
(日野草城)
降る度に 月を研ぎ出す しぐれかな
(小西来山)
笹の葉に 西日のめぐる 時雨かな
(椎本才麿)
しぐるるや だらだら坂の 黒光り 
(丸谷才一)
小夜時雨上野を 虚子を来つゝあらん 
(正岡子規)
永遠の 待合室や 冬の雨
(高野ムツオ)
うつほどに 藁の匂ふや 寒の雨
(金尾梅の門)
旅人と 我名呼ばれん 初霙(はつしぐれ)
(松尾芭蕉)

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【その他】冬の雨のことば

最後に、季語ではありませんが、
【冬の雨のことば】をご紹介します。

冬の季節に降る雨は、雪まじりであったり、凍ってしまったりと、とても冷たい雨。

雨の言葉にも、その寒さや冷たさが伝わってきます。

雨の季語意味
1.冬雨(とうう)冬に降る雨のこと。漢語的表現。
2.ほかげ雨(ほかげあめ)降ってはすすぐやみ、また降ってくるような雨のこと。青森県地方のことば
3.冬時雨(ふゆしぐれ)初冬によく降る時雨のこと。※『時雨』は冬の季語
4.月時雨(つきしぐれ)月の夜に通りすぎていく時雨のこと。※『時雨』は冬の季語
7.宵の時雨(よいのしぐれ) 宵のころに降る時雨のこと。気象庁の予報用語では、宵とは午後6時~9時くらいを指す。※『時雨』は冬の季語
8.夜の時雨(よのしぐれ)『宵の時雨』より遅い夜の時間に降る時雨のこと。※『時雨』は冬の季語
9.時雨心地(しぐれここち) 時雨が降りそうな空模様。涙をながすような気持ちのこと。※『時雨』は冬の季語

 

※参考書籍はこちら。眺めているだけでもたのしいですよ^^
>>雨のことば辞典 (講談社学術文庫)

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まとめ

今回は【雨の季語】冬編ということで、冬の雨に関することばをご紹介させていただきました。

冬の雨は、雪やみぞれまじりであったり、空気が冷たいので氷になったり。

水滴だけではない、雨のかたちがあります。そして、冬は『時雨』の季節。

さまざまな雨の表現に役立てば幸いです^^

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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