【心残りなく】の意味とは?例文や類義語【心置きなく】との違いも解説!

ことばの表現

あなたは『心残りなく』という言葉を知っていますか?

知っている方は、ふだん使っていますか?

『心残りなく』とは思い残すことが無いように、遠慮なく、存分になどの意味があります。

 

また、おなじような意味のことばで『心置きなく』という言葉もありますが、果たしてこのふたつの言葉に違いはあるのでしょうか?

今回は、この『心残りなく』の意味や使い方、類義語と、『心置きなく』との違いをご紹介ます!

 

 

【心残りなく】の意味

【心残りなく(こころのこりなく)】の意味はつぎのとおりです。

 

事のすんだ後や、立ち去る時などに、心配や未練などがないようにという意味。

 

【心残りなく】とは、
【心残り】という言葉の否定形です。
【心残り】とは日本古来の大和言葉で、意味はつぎのとおりです。
立ち去る時などに、心配・残念といった気持ちが残るという意味で、会話にも文章にも使われる和語のこと。
(出典:日本語 語感の辞典)
このように【心残り】とは、立ち去る時や事が済んだ後に、心配や残念な気持ち、後悔などがあとに残ることをいいます。
一方、【心残りなく】とは、
【心残り】+【無く】ということで、
心配せずに、後悔や未練などないように、悔いのないように、という意味になります。
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【心残りなく】の例文・使い方

つぎに【心残りなく】の例文・使い方についてご紹介します。

4つの意味合い

例文をご紹介する前に、
こちらでは【心残りなく】という言葉をおもに
4つの意味合いにわけました。
  1. 重い感情を残さないように
  2. 思い残すことはない
  3. やりきったというような満足感
  4. 遠慮なく存分に
この4つの意味合いがわかると、
【心残りなく】という言葉が使いやすくなります。

それではつぎに例文をご紹介していきます。

 

4つの意味合いの例文

それぞれの例文はつぎのとおりです。

 

重い感情を残さないようにという例文

私に非があるのだから、彼も心残りなく別れることができるだろう。

 

思い残すことはないの例文

私は、心残りなく人生の終わりを迎えることができそうだ。

 

やりきったというような満足感の例文

この地で暮らした日々にとても満足しているから、心残りなくあらたな世界へ旅立つことができる。

 

遠慮なく存分に

はじめて訪れた島では、心残りなく思いっきり楽しむことができた。

 

 

このように【心残りなく】という言葉には、いくつかの意味合いが含まれています。

 

この意味合いについて理解ができていると、【心残りなく】という言葉を使うときや、別のことばで言い換えるとき、また類義語を選ぶことも比較的簡単になります。

 

 

ルル
ルル

【心残りなく】って言葉には、

いろんな使い方が
あるんだにゃあ。

小梅
小梅

つぎは類義語を
紹介していくにゃ!

 

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【心残りなく】の類義語と関連・連想語

こちらでは【心残りなく】の類義語と関連・連想語をご紹介していきます。

 

類義語

はじめに類義語をご紹介します。

類義語を選ぶときも、先ほどの例文のときとおなじように、4つの意味合い別に考えるとわかりやすいです。

 

それでは、それぞれのパターンで類義語を見ていきましょう!

 

重い感情を残さないように

わだかまりなく、遺恨(いこん)なく、
忌憚(きたん)なく、
禍根(かこん)を残さず、
しこりを残さず、こじれることなく、
すっきりとした、

 

思い残すことはない

未練なく、迷いなく、
尾を引かずに、
心置きなく

 

やりきったというような満足感

後悔なし、悔いはない、悔やんでいない、
悔しくない、本望だ、
思い残すことはない、
一片の悔いなし、

 

遠慮なく存分に

気兼ねなく、気軽に、伸びやかに、
のびのびと、気楽に、存分に、
自由に、

 

 

関連・連想語

つづいて、こちらでは【心残りなく】の関連・連想語をあつめました。

関連・連想語では、つぎのように3つの要素にわけてご紹介します。

 

心が落ち着いているさま

心残りが無ければ、心も穏やかで、落ち着いていることができます。そのような意味合いの関連・連想語をあつめました。

安らか、安らぐ、のどか、平らか、
余裕がある、
安泰、悠々、
おっとり、おおらか、
ゆったり、ゆるりと、ごゆるりと
平安、安穏、羽をのばず、

 

前向きにすすむ

心残りが無ければ、あたらしい環境や物ごとに向かって軽やかにすすんでいくことができます。そのような意味合いの関連・連想語をあつめました。

楽天家、くよくよしない、
ケセラセラ、プラス思考、
あっけらかんと、カラッと、
思い残すことはない、
とらわれない、気にかけない、
受け流す、さばさばした、
思い切りよく、思い切る、
思いのまま、暗夜の灯、

スッパリ、きっぱり、あっさり、

 

安全で安心な状態

心残りが無ければ、心配事もないので、安全で安心な状態をつくることができます。そのような意味合いの関連・連想語をあつめました。

満ち足りた、問題ない、(将来は)安泰、
つつがない、無事、万全の、健全、平和、
平穏無事、堅実な、

 

 

【心置きなく】との違いは?

あなたは、【心置きなく】という言葉を聞いたことはありますか?
この言葉を知っている方なら、【心残りなく】となんとなく同じような意味のことばというイメージがあるのではないでしょうか?
果たしてこのふたつの言葉は同じなのでしょうか?
それとも、違いがあるのでしょうか?
結論からいいますと、
【心残りなく】と【心置きなく】には共通する意味と、
共通しない意味の両方があります。
それは、つぎのとおりです。

《共通する意味》

  • 安心して
  • 遠慮なく、存分に
  • 気兼ねなく
  • 思い残すことが無いように

 

《相違点:【心残りなく】にある意味合い

  • 重い感情を残さないように
  • 未練やわだかまりが残らないように
この共通するところと共通しないところをみて、あなたは理解できましたか?
あまりよくわからなかったという方は、申し訳ありませんが、ぜひ続きをご覧ください。

共通点と違い

こちらでは【心残りなく】と【心置きなく】の共通するところと違いをくわしく解説していきます。
はじめに、
【心置きなく】の意味です。それはつぎのとおりです。
気兼ねせずに、遠慮せずに、心配せずに、などの意味
(出典:実用日本語表現辞典)

このように【心置きなく】とは、気づかいや遠慮せずに、心配せずになどの意味があります。

 

 

※あわせて読みたい記事

【心置きなく】についた、くわしく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
>>『心置きなく』とはどんな意味?使い方と例文、類義語や反対語もご紹介!

 

 

一方、【心残りなく】の意味は、最初にお伝えしたようにつぎのとおりでした。

事のすんだ後や、立ち去る時などに、心配や未練などがないようにという意味。

 

さらに【心残りなく】という言葉には、つぎのような意味合いも含まれています。

  1. 重い感情を残さないように
  2. 思い残すことがないように
  3. やりきったという満足感
  4. 遠慮なく、存分に

 

この意味合いの中では、黒文字のところがふたつ言葉の共通点です。

赤文字のところが違いになります。

 

【心残りなく】と【心置きなく】のふたつに共通する意味や意味合いをまとめると、つぎのようになります。

  • 遠慮なく、存分に
  • 気兼ねなく、思い残すことがないように

このように、【心残りなく】と【心置きなく】には、

安心して、遠慮なく、存分に、
思い残すことがないように
などの意味が共通してあります。

 

 

一方で、共通しない意味合いもあります。

それが上記の、【心残りなく】の意味合いで赤字の部分です。

  • 重い感情を残さないように

このような意味合いは、【心置きなく】にはほとんど含まれていません。

 

この『重い感情を残さないように』とは、もう少し具体的にいうとつぎのようなことをさします。

  • 未練を残さないように
  • わだかまりが残らないように
  • こじれることがないように

 

このような意味合いは、【心置きなく】にはあまりありませんので、ひとつの違いになります。

この部分は、言葉を使うときや選ぶときの参考にしてくださいね。

 

 

もう一度、【心残りなく】と【心置きなく】の共通点と違いをまとめると次のとおりです。

 

《共通する意味》

  • 安心して
  • 遠慮なく、存分に
  • 気兼ねなく
  • 思い残すことが無いように

 

《相違点:【心残りなく】にある意味合い

  • 重い感情を残さないように
  • 未練やわだかまりが残らないように

 

 

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まとめ

今回は【心残りなく】という言葉について、解説させていただきました。
おもなポイントはつぎのとおり。

  • 【心残りなく】の意味は、安心して、気兼ねせずに、遠慮せずに、存分になどの意味。
  • 【心残り】がことばの由来
  • 【心残りなく】と【心置きなく】の違いは、重い感情を残さないようにという意味合いが【心置きなく】にはないこと。

大和言葉にはすてきな言葉がたくさんありますね。

言葉を知って、もっと表現豊かに使っていきましょう!

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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