夏のにぎわいがなくなり、涼しい秋風が吹きはじめると、なぜか心もちょっぴり寂しさを感じます。
秋は日が落ちるのも早くなり、長い夜を静かに過ごす時期へと入っていく季節。
そんな秋の季節を表現した
美しい【秋の季語】がたくさんあります!
今回は、【秋の季語】を種類別に一覧でまとまめした。
ぜひ、ことばの秋を堪能してみてくださいね!
『秋』がつく季語
【秋の季語】には、『秋』がつく言葉が数多くあります。
こちらでは、『秋』がつく【秋の季語】をあつめて、一覧にまとめました。
季語 | 読みかた | 意味 |
秋 | あき | 夏と冬の間で、日本では9,10,11月のことをいう。暦の上では立秋から立冬の前日までをいい、天文学では、秋分から冬至のことをいう。昼が短く、夜が長くなる。気候はさわやかで穀物や果物の収穫期。一方で、台風や前線の影響で雨が降りやすい季節でもある。 |
秋暑し | あきあつし | 立秋を過ぎても暑さが残ること。残暑。 |
秋味 | あきあじ | 北海道や東北などで、秋に産卵のために川を上ってくるサケのこと。 |
秋あわれ | あきあわれ | 秋のころ、心に感じ思うこと。寂しさに誘われるように、もの思いにふけること。 |
秋収 | あきおさめ | 稲刈りの後、集落の人々が集まって収穫を喜び、互いに労い、田の神に感謝する祝いの宴のこと。 ※類語:秋揚げ、秋じまひ |
秋の風 | あきのかぜ | 秋に吹く冷たい風のこと。 |
秋の雲 | あきのくも | 秋の晴れた空にただよう雲のこと。秋の雲は、さわやかに澄み渡った青い空に流れてゆく。鰯雲や鯖雲など、秋の白い雲はくっきりと印象的である。 |
秋の暮 | あきのくれ | 秋の一日の夕暮れ、または、秋の季節の終わりの頃のことをいう。 |
秋の晴 | あきのはれ | 秋空が澄んで晴れ渡ること。 |
秋の星 | あきのほし | 澄み渡る夜空に、星が輝く夜のこと。澄み切った秋の夜は格別。 |
秋風 | あきかぜ | 秋に吹く風。秋になって吹いてくる涼しい風のこと。 |
秋渇き | あきがわき | 暑さのために減退した食欲が、過ごしやすい秋の気候のなかで、いちじるしく回復することをさす。 |
秋空 | あきぞら | 秋の空のこと。 |
秋高し | あきたかし | 秋に空気が澄んで、空が高く感じられることをいう。 |
秋の江 | あきのえ・あきのこう | 秋の川のこと。 |
秋の雲 | あきのくも | 澄み切った青空に浮かんでは消えてゆく秋の雲のこと。 |
秋の田 | あきのた | 熟して稲穂をたれた田のこと。 |
秋の日 | あきのひ | 秋の日の光のことであり、秋の一日のことでもある。秋の太陽は、残暑をもたらすが、次第にさわやかになる。晩秋には目に見えて日差しも衰える。秋分を過ぎると次第に日は短くなり、冬が近づくころには一気に日が落ちるようになる。 |
秋の野遊 | あきののあそび | 春の「野遊」に対する季語で、秋の野や山に出かけ、食事をしたり遊んだりしながら、一日を楽しみに過ごすこと。秋の収穫期ならではの、葡萄狩りや林檎狩り、栗やどんぐりなどの木の実拾い、秋の学校遠足なども含まれる。 |
秋の蛍 | あきのほたる | 立秋を過ぎても飛んでいる蛍のこと。闇夜にまばらに明滅する様子は、盛りを過ぎたさみしさが漂う。 |
秋の夜 | あきのよ | 秋の夜のことで、とくに空気の澄んだ夜。長い夜の気持ちを込めて使用することが多い。 |
秋日傘 | あきひがさ | 秋になっても用いる日傘のこと。日傘は本来、夏物ものであるが、立秋を過ぎても真昼の日ざしは耐え難く、日焼けを嫌う人は日傘を手放せない。 |
秋深し | あきふかし | 秋が深まる、晩秋のころのこと。冬に移ろうとする時期。もの淋しさ漂うころのことで、心理的な表現のことばでもある。 |
秋意 | しゅうい | 秋の気分、秋らしい趣、秋の風情をいう。 |
秋耕 | しゅうこう | 秋の収穫後、別の種を播くために、畑を耕すことをいう。 |
秋光 | しゅうこう | 秋の景色、また、秋の日ざしのこと。 |
秋思 | しゅうし | 秋になり、心に感じたり思ったりすること。 |
傷秋 | しゅうしょう | 秋になり、心に感じたり思ったりすること。秋は、ほかの季節に比べて、もの思うことが多い季節。 |
秋色 | しゅうしょく | 秋の景色や秋の風光のことをいう。 |
秋冷 | しゅうれい | 秋になり感じられる冷やかさのこと。また、その冷気。 |
秋麗 | しゅうれい・あきうらら | よく晴れた秋の日のことで、澄んだ空からは、まぶしいほどの日が降り注ぎ、何もかもが麗しく見える。おだやかな秋の日に、春の麗らかさを思い感じること。 |
秋夜 | しゅうや | 秋の夜のこと。 |
初秋 | しょしゅう・はつあき | 秋の初めのこと。陰暦7月の異称でもある。 |
豊の秋 | とよのあき | 米、麦、粟、豆、きびの五穀、特に米の豊作の年のことをいう。 |
暮秋 | ぼしゅう | 秋の終わり、秋の暮れのこと。晩秋。陰暦9月の異称でもある。 |
立秋 | りっしゅう | 二十四節気のひとつ。 |
《俳句》
与謝蕪村
小林一茶
松尾芭蕉
夏目漱石
飯田蛇笏
※『風鈴』のみのときは、夏の季語
松尾芭蕉
高橋淡路女
村上鬼城
廣瀬直人
山内遊糸
松尾芭蕉
稲畑汀子
青木月斗
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『月』がつく季語
秋といえば、『月』とも関係が深い季節です。秋の夜空では、月がうつくしく輝きます。
こちらでは『月』にかんする【秋の季語】をご紹介します。
季語 | 読みかた | 意味 |
月 | つき | 単に『月』といえば、秋の月のこと。秋の月は、どの季節よりも光が冴えて、明るく輝く。 |
月光 | げっこう | 月の光のこと。月影ともいう。 |
心の月 | こころのつき | 心の悟りのこと。清く明らかで、迷いのない心のこと。 |
月代 | つきしろ | 月が東の空に昇るのを前に、空がだんだん明るくしらんでいく様子のこと。特に十五夜の月の出をまつ月見客たちの待ち焦がれる思いを表している。月白ともいう。 |
月夜 | つきよ・つくよ | 月のある夜、月光の明るい夜のこと。また、月。月光。 |
月夜烏 | つきよがらす | 月夜に浮かれて鳴く烏のこと。また、夜遊びに浮かれ出る人のたとえ。 |
雨月 | うげつ | 陰暦8月15日の夜、雨のために月が見えないことをいう。 |
新月 | しんげつ | 陰暦、月の初めの夜に見える月。夕方、西の空に細く見える月。 |
初月 | はつづき | 陰暦八月初め、二~六日頃の月。まだきわめて細いが、その後の満ちゆく月への期待を込めて愛でる。 ※初月夜(はつづきよ)ともいう。 |
二日月 | ふつかづき | 陰暦で、月の第二日目の夜に出る月のこと。とくに8月2日の月のことをいう。 |
三日月 | みかづき | 陰暦で、3日の夜に出る細い弓形の月のこと。また、その前後の月齢の若い月のこと。 |
無月 | むげつ | 曇ったり雨が降ったりして、月が見えないこと。特に中秋の名月についていう。 |
名月 | めいげつ | 陰暦8月15日夜の月のこと。また、9月13日夜の月のこと。 |
夕月 | ゆうづき | 夕空に見える月のこと。 |
夕月夜 | ゆうづくよ | 夕暮れに出ている月のこと。陰暦10日頃までの夕方の時刻に、空に出ている上弦の月。また、その月が出ている夜のこと。 |
弓張月 | ゆみはりづき | 弓を張ったような形をした月。上弦、または下弦の月のこと。弦月ともいう。 |
宵月 | よいづき | 宵の間だけ出ている月のこと。とくに、陰暦8月の2日から7日ころまでの月をいう。夕月のこと。 宵月夜ともいう。 |
宵月夜 | よいづきよ | 宵の間だけ、月が出ている夜のこと。 |
《俳句》
与謝蕪村
大野林火
日野草城
小林一茶
松尾芭蕉
荻原井泉水
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『月の出を待つ』季語
こちらでは、『月の出』を待つ意味の季語をあつめました。
季語 | 読みかた | 意味 |
立待月 | たちまちづき | 立ちながら待つうちに出てくる月の意味。陰暦17日の夜の月のこと。 |
居待月 | いまちづき | 陰暦18日の夜の月のこと。『万葉集』に『座待(いまち)月』とあるように、この夜の月の出は遅い。座してその出を待ったところから出た月の名前のこと。 |
臥待月 | ふしまちづき | 陰暦19日の夜の月のこと。寝待の月。 |
更待月 | ふけまちづき | 陰暦20日の月の異称。更けて待つという意味。寝待月の月の出よりもさらに遅く、亥の正刻(今日の午後10時)にやっと月が昇るので、亥中(いなか)の月、二十日亥中の呼称もある。 |
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『夜と夜空』の季語
夜と夜空にまつわる【秋の季語】をご紹介します。
季語 | 読みかた | 意味 |
天の川・天川 | あまのがわ | 夜空に帯のように集まって輝く、無数の星の集まりのこと。 |
銀河 | ぎんが | 天の川のことで、地球上から見た時の銀河系のこと。 |
十六夜 | いざよい | 十六夜の月のこと。陰暦の16日、またその夜のこと。 |
十五夜 | じゅうごや | 陰暦8月15日の夜。中秋の名月の夜。 |
長き夜 | ながきよ | 夜明けまでの時間が長い夜。特に、秋の夜。 |
夜寒 | よさむ | 夜の寒さのこと。とくに、秋が深まり夜の寒さが強く感じられることをいう。また、その季節のこと。 |
夜長 | よなが | 夜が長いこと。特に、9月、10月ころに、夜が非常に長く感じられること。 |
良夜 | りょうや | 月が明るい夜のこと。特に、中秋の名月の夜。 |
《俳句》
小林一茶
山口青邨
三浦樗良
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『生きもの』に関する季語
こちらでは、『生きもの』にまつわる
【秋の季語】をまとめていました。
季語 | 読みかた | 意味 |
赤蜻蛉 | あかとんぼ | アカトンボ類の俗称で、一般的には赤い蜻蛉のことをいう。 |
蜻蛉釣り | とんぼつり | おとりのトンボを竿の先に糸で結んで飛ばし、他のトンボを誘い寄せて捕らえる遊びのこと。また、鳥もちをつけた竿でトンボを捕る遊び。 |
鶉 | うずら | キジ科の鳥で、全長約20センチ、体は丸く尾が短い。全体に茶褐色で、黄白色の縦斑と黒斑がある。草原にすみ、地上を歩き回る鳥。 |
落鮎 | おちあゆ | 秋に、産卵のために川を下る鮎のこと。くだりあゆ。錆鮎のこと。 |
雁 | かり・かりがね | ガンの別名。ガンは、カモ目カモ科の鳥のうち、白鳥類を除いた大形のものの総称のこと。 |
啄木鳥 | きつつき | キツツキ科に属する鳥の総称。くちばしがきわめて強堅で、先がとがり、樹木をつついて穴をあけ、中にいる昆虫を食べる。たいていは、森にすむ。 |
蟋蟀 | こおろぎ | 直翅(ちょくし)目コオロギ課の昆虫の総称。草の間や、石の下などにすみ、体は褐色でやや平たい形、頭部は大きく、触覚が長い。雄は前翅(まえばね)に発音器をもち、こすり合わせて鳴く。 |
小鳥来る | ことりくる | 渡り鳥のこと。 |
つくつく法師 | つくつくほうし | 晩夏から秋にかけて現れて、雄はツクツクオーシと鳴く。この鳴き声からつけられた名称で、「法師」は当て字。セミ科の昆虫で、体長は翅(はね)の先まで約4.5cm。暗黄緑色の地に黒い紋があり、背にW形のの紋をもつ。 |
飛蝗 | ばった | 直翅 (ちょくし) 目バッタ科と近縁の科の昆虫の総称のこと。頭部は大きく、触角は短い。前翅 (まえばね) はやや厚め、その下に膜質の後ろ翅が扇子状に折り畳まれる。後脚は太くて長く、よく跳躍する。 |
虫の宿 | むしのやど | 虫の音に取り囲まれている家のこと。 |
鵙 | もず | モズ科の鳥のこと。全長約20㎝で、雄は頭部が赤茶色で目を通る黒い帯があり、背面は灰褐色、下面は淡褐色。雌は全体に褐色。長い尾を振りながらキイキイキチキチと鋭い声で高鳴きをする。 |
《俳句》
与謝蕪村
水原秋櫻子
松本たかし
村上鬼城
『花と植物』にかんする季語
こちらでは、『花』や『植物』にかんする【秋の季語】をご紹介します!
季語 | 読みかた | 意味 |
芋 | いも | 植物の根や地下茎が発達してでんぷんなどの養分をたくわえているもの。さつまいもやじゃがいも、里芋などの総称でもある。 |
落穂 | おちぼ | 刈り取った後の田や畦・稲架の下に落ちている穂のこと。一粒の米も無駄にしないという思いから、落穂拾いは大事な仕事である。 |
尾花の粥 | おなばのかゆ | ススキ(尾花)の穂を黒焼きにしてまぜた粥のこと。米の粉に黒ゴマを混ぜることもあった。疫病を除く良薬として、八朔の祝に食した。 |
柿 | かき | カキノキ科の落葉高木。山地に自生するが、栽培もされる。果実は黄赤色で食用。 |
楓 | かえで | カエデ科の落葉高木の総称。葉は掌状で対生、秋に紅葉する。楓の名前の由来は、葉の形状から見立てた、蛙手(かえるの手)が転じたもの。 |
貝割菜 | かいわりな | 二つの小葉が、卵の殻を割ったような形に開いて芽生えるアブラナ科の蔬菜(そさい)のこと。とくに大根やカブの芽が出る様子をいう言葉。かいわり、かいわれともいう。 |
梶の葉 | かじのは | 七夕の日に、七枚の梶の葉に歌を書いて星に手向ける風習がある。カジノキは、クワ科の落葉高木で、葉は3つに裂けているものが多い。 |
菊 | きく | キク科の多年草で、日本の代表的な花のひとつ。花の色、形などにより、非常に多くの品種があり、大きさによって、大菊、中菊、小菊と大別される。中国から渡来したとされ、江戸自裁に改良が進んだ。広くは観賞用だが、食用にもなる。 |
菊人形 | きくにんぎょう | 菊の花や葉を取り合わせて飾りつけた人形のこと。 |
菊の酒 | きくのさけ | 平安朝では、菊は齢草(よわいぐさ)・翁草・千代見草といわれ、災厄を避け、長寿をもたらす花と考えられていた。その菊花を陰暦9月9日の重陽の節句の際に、酒に浮かべて飲む習わしがあった。これを菊の酒という。 |
茸・菌 | きのこ | 晩秋、山林の湿地や朽木などに生える大型の菌類の俗称のこと。傘の形をしていて種類が多く、美しい色を持つ毒茸もある。椎茸、舞茸、しめじ、榎茸などは味もよく人工栽培が可能で、食用として市場に出荷されている。 |
桐一葉 | きりひとは | 桐の葉が落ちるのを見て秋を知ること。衰亡の兆しを感じることのたとえ。 |
薬掘る | くすりほる | 秋も深まったころ、山野を尋ねて、茜、竜胆(りんどう)、千振(せんぶりなどの薬草を採取すること。 |
葛掘る | くずほる | 晩秋に、山野の葛の根を掘ること。長いものは、1.5mにも及ぶ。臼などで砕き、水で晒して漉し、でんぷんを取る。 |
栗飯 | くりめし | 栗を炊き込んだご飯のこと。 |
栗羊羹 | くりようかん | 栗餡に砂糖と寒天だけで作った練り羊羹や、こし餡の羊羹に栗をまぜ込んだものなどがある。 |
鶏頭 | けいとう | ヒユ科の一年草。葉は楕円形で、夏から秋にかけて鶏のとさかに似た花軸に黄色、紅色などの小花を開く。 |
葉鶏頭 | はげいとう | ヒユ科の一年草で、高さは約1.5メートル。茎は直立し、葉は細長い披針形で、頂部のものは秋に紅・黄色などに色づく。夏から秋に、葉の付け根に淡緑色の小さい花をつける。熱帯アジア原産で、古くに渡来し、おもに葉を観賞用する。雁来紅 (がんらいこう) 。 |
コスモス | こすもす | メキシコ原産のキク科の一年草。高さは1.5~2m。葉は細かく羽状に裂ける。秋に白や紅色の花を咲かせる。秋桜、オオハルシャギクともいう。 |
木の実 | このみ・きのみ | 櫟・橡・椎・樫など木になる実の総称で、食べるために拾い集めたり、かわいらしい形に惹かれて拾い集めたりする。独楽などのおもちゃにするものもある。 |
季語 | 読みかた | 意味 |
石榴 | ざくろ | ザクロ科の落葉高木。幹にコブがあり、枝にとげがある。夏に小形の赤い花を咲かせ、果実は球形で、熟すと裂けて紅色の多数の種子をあらわす。観賞用、食用。 |
しらぎく | しらぎく | 白い花が咲く菊のこと。しろぎく。 |
芒 | すすき | イネ科の多年草。山野に群生し、高さ約1.5m。秋に、茎の頂に十数本の枝を出し、黄褐色から紫褐色の大きな花穂を垂れ下げるようにつける。この状態が、まるで動物の尾を連想させるというところから、尾花ともいう。秋の七草のひとつ。 |
大豆干す | だいずほす | 大豆や小豆を引いて、茎を束ねて畑に干したり、稲架(はぎ)のようなものに掛けて干すこと。乾燥させたものは、棒で打って、莢と実を取り分ける。この作業を『豆打つ』という。 ※類語:大豆打つ、豆干す、小豆干す |
種採 | たねとり | 花が終わった草花の種を採り集めること。天気の良い日に採取してよく乾かし、花の種類や色によって袋をわけて納め、保存しておく。 |
橡餅 | とちもち | 灰汁を抜いた橡の実と米を搗きまぜて作るお餅のこと。 |
萩刈る | はぎかる | 秋に、萩を株の根元から刈り取ること。萩の花がさくのは7月~9月頃までだが、花の時期が終わったあとも、萩はその枝を伸ばす性質があり、翌春の発芽が不良にならないよう、株の根元から刈り取りをおこなう。 |
蓮の飯 | はすのめし | 盆行事のひとつで、生身魂へのもてなしに、蓮の葉にもち米の飯や赤飯を包み蒸し上げる飯のこと。 |
葡萄 | ぶどう | ブドウ科の栽培つる性落葉樹。茎が変化した巻きひげで他物にからみつき、葉は掌状。夏から秋にかけて、紫色などの球形の果実を房状につける植物。 |
芙蓉 | ふよう | アオイ科の落葉低木で、暖地の海岸近くに自生する。葉は掌状に裂けていて、先がとがっている。夏から秋、葉の付け根に淡紅色の大きな5弁花が咲き、1日でしぼむ。園芸品種には白・紅などの花色や八重のものもある。きはちす。 |
干柿 | ほしがき | 渋柿の皮をむいて日に干したもの。 ※類語:吊し柿、枯露柿(ころがき)、柿干す |
糸瓜 | めちま | ウリ科の蔓性一年草。巻きひげで他に絡みつき、葉は掌状に浅く裂け、長い柄をもつ。夏から秋に、黄色い雄花と雌花とを咲かせ、濃緑色の実を結ぶ。実は長さ約60センチの円柱状で、若いものは食用、熟したものは果皮などを取り去った網状繊維を入浴たわしに用いる。茎からはヘチマ水をとり、化粧水や咳止め剤にする。 |
松茸飯 | まつたけめし | 松茸を炊き込んだ味つけご飯のこと。 |
曼殊沙華 | まんじゅしゃげ | 彼岸花の別名。土手や田の畦に生える、ヒガンバナ科の多年草。秋のお彼岸のころに、高さ約30㎝の花茎を伸ばし、長い雄しべ、雌しべをもつ赤い6弁花を数個輪状につける。 |
水引の花 | みずひきのはな | タデ科の多年草。林の縁や藪に見られる。高さ約40cm。8~10月に、細い花軸に濃い赤や白の細かな花をつける。それが贈答品を結ぶ紅白の飾り紐の水引に似ていることからこの名がある。 |
零余子飯 | むかごめし | 自然薯や長芋などの蔓の葉の付け根にできる球芽(たまめ)を皮付きのまま炊き込んだもの。零余子は、かむと皮がぷつっと破れ、中の粘りある芋が柔らかく、独特の風味があり野趣あふれる秋の味覚。 |
紅葉宿 | もみじやど | 紅葉を眺めることができる宿のこと。また、宿から紅葉を眺めること。 |
柳散る | やなぎちる | 柳は、秋の中頃、葉が黄色となり、一葉ずつ時をかけて散り尽す。たおやかに揺れて散るさまは、秋そのものである。 |
柚子打つ | ゆずうつ | 長い棒などで柚子の実を打って、たたき落とすこと。『柚子』も秋の季語で、ミカン科ミカン属の常緑高木。 |
柚味噌 | ゆみそ | 柚子の表皮を刻むか摺り下ろすかして、果汁とともに味噌・酒・砂糖などと合わせた練り味噌のことをいう。 |
欄の香 | らんのか | 欄の香りがすること。 |
林檎 | りんご | バラ科の落葉高木。晩春に白い花を咲かせる。果実は、赤、黄、うす緑色などで、甘酸っぱい味が多い。 |
吾亦紅 | われもこう | バラ科の多年草。日当たりのよい草原に生える。高さ約30~100cm、8~10月に暗紅紫色の団子のような花をつける。花は、花弁はなく蕚片が密集して穂状になったもの。 |
《俳句》
鈴木花蓑
山口誓子
橋本多佳子
飯田蛇笏
臼田亜浪
高浜虚子
大野林火
正岡子規
高野素十
川端茅舎
中村草田男
杉田久女
久保田万太郎
西東三鬼
飯田龍太
鈴木花蓑
村越化石
鍵和田秞子
【秋の季語】そのほか
最後に、そのほかの【秋の季語】をご紹介します。
さまざまな形であわらした秋の言葉があります。面白い表現の季語もありますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
季語 | 読みかた | 意味 |
朝寒 | あささむ | 晩秋の朝方に寒さを感じること。 |
秋遍路 | あきへんろ | 秋に行う四国八十八か所などの札所巡りをいう。遍路は通常に春に行われ、単に『遍路』という場合は、春の季語になる。 |
生身魂 | いきみたま | 盂蘭盆会に年長の者に礼を尽くす習俗、またはその儀式のこと。 |
風の盆 | かぜのぼん | 毎年9月1日~3日間、富山県八尾町でおこなわれる盆の行事。越中おわら節に合わせて全町の人たちが夜を徹して唄い踊る。もとは祖霊を祀る行事であったが、のちに風害を防ぎ、豊作を祈願する風祭りとあわさったものと考えられる。 |
砧 | きぬた | 木槌 (きづち) で打って布を柔らかくしたり、つやを出したりするのに用いる木や石の台のこと。また、それを打つこと。 |
草市 | くさいち | 7月12日暮れから翌朝にかけて立つ、盆の行事に必要な品々を売る市のこと。東京では、浅草の雷門、神田旅籠町、牛込神楽坂など、年の市が立つところに草市も立つ。灯籠や提灯、蓮の葉、真菰の筵、ホオズキなど売っている。 |
爽やか | さわやか | 気分が晴れ晴れとして快いさま。さっぱりとして気持ちがよいさま。 |
地蔵盆 | じぞうぼん | 8月23日、24日を中心に行われる地蔵菩薩の縁日。近畿地方で盛んにおおこなわれている。道祖神と結びついた「路傍や街角のお地蔵さん」いわゆる「辻地蔵」が対象となっている。 |
白露 | しらつゆ | 草木の葉の上などの露が白く光っているもの。また、単に露のこと。 |
新涼 | しんりょう | 秋の初めの涼しさ。初秋の涼気のこと。 |
硯洗い | すずりあらい | 七夕の前夜、子供たちが習字や学問の上達を願い、硯、筆、机などを洗うことをいう。 |
相撲・角力 | すもう | すもう、または、すもうを取ること。 |
そぞろ寒 | そぞろさむ | 晩秋の頃、それとなく感じる寒さのこと。 |
魂祭 | たままつり | 7月13日~16日に行われる仏事のことで、今日では、精霊(しょうりょう)を祭る盆の異名をいう。 |
釣瓶落とし | つるべおとし | 釣瓶とは、縄やさおの先につけて井戸水をくみあげる桶のことで、『釣瓶落とし』とは、井戸の釣瓶が一挙に落ちるように、秋の日が、あっというまに暮れてしまうことをあらわした言葉。 |
露 | つゆ | 大気中の水蒸気が冷えて水滴となって物についたもの。 |
露霜 | つゆじも | 露と霜のこと。また露、とくに凍ってなかば霜となった露。水霜。 |
燈籠流し | とうろうながし | 盆の終わる15日、または16日の夜、川や湖や海へ、灯籠を流す習わしのこと。 |
ひやひや | 肌につめたく感じるさま。また、心配し、恐れるさまのこと。 | |
美術展覧会 | びじゅつてんらんかい | 秋は『芸術の秋』と呼ばれる季節。展覧会も多く開催され、各種美術展覧会のことさす。 |
冬支度 | ふゆじたく | 秋の終わりになると、冬の寒さや降雪への準備などへ心せかされてくるが、そうした実際の作業と心持ちを総括するものである。 |
冬近し | ふゆちかし | 立冬(11月7日頃)を目前にした頃のことをいう。 |
文化祭 | ぶんかさい | おもに大学や高校・中学などで学生・生徒が主体となって、展示・講演・音楽・演劇などを催す行事のこと。 |
身にしむ | みにしむ | 痛切に感じる。しみじみと味わう。また、秋の冷気が身に強く感じられること。 |
山装う (山装ふ) | やまよそおう | 秋の山々が紅葉によって色づく様子を表現したことば。 |
やや寒 | ややさむ | 晩秋の頃、少し感じる寒さのこと。 |
《俳句》
柴田宵曲
中村草田男
皆吉爽雨
加藤楸邨
松尾芭蕉
与謝蕪村
橋本多佳子
与謝蕪村
日美清史
各務支考
加舎白雄
大野林火
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おばんざい 秋と冬 京の台所歳時記 [ 秋山 十三子 ](河出文庫))
まとめ
今回は【秋の季語】を一覧でご紹介させていただきました。
秋には秋ならではの、気候や生きものの様子、食べものや植物などがあります。それに伴い暮らしの形も変わります。
季語からは、そんなさまざまな『秋』を味わうことができます。日本語って本当に表情が豊かですね!
今最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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