【春の季語・俳句一覧】春の雪・俳句100選!春は淡雪や雪解けの季節♪

季節のことば・季語

『雪がつく季語』といえば、冬の季語というイメージがあると思いますが、

実は雪にまつわる季語には、
『冬の季語』と『春の季語』があります。

今回は雪がつく季語の中でも
【春の季語】と俳句をご紹介します!

それぞれの季語について、子季語や類語となる季語もあわせてご紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね!

 

春の雪の季語

【春の季語】の中にも、『雪』がつく言葉はたくさんあります。

季語の世界の『初春』にあたる2月あたりは、春といっても、まだまだ寒さが厳しい季節。

雪国でなくとも、雪が降る時期です。

こちらでは雪に関する【春の季語】をご紹介します。

春の雪

【春の季語】
春の雪…春になってから降る雪のこと。
春雪(しゅんせつ)、
春吹雪(はるふぶき)

 

どぶ板や 火かげはらはら 春の雪
(どぶいたや ほかげはらはら はるのゆき)
小林一茶

 

春の雪 ひとごとならず 消えてゆく
(はるのゆき ひとごとならず きえてゆく)
久米三汀

 

春の雪 波の如くに 塀をこゆ
(はるのゆき なみのごとくに へいをこゆ)
高野素十

 

春の雪 空の静かさ 降るやうに
(はるのゆき そらのしずかさ ふるように)
成田千空

この道しかない 春の雪ふる
(このみちしかない はるのゆきふる)
種田山頭火

 

雛祭る 節供になりて 春の雪
(ひなまつる せっくになりて はるのゆき)
正岡子規

 

春雪や 降るにもあらず 降らぬにも
(しゅんせつや ふるにもあらず ふらぬにも)
加賀千代女

 

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淡雪

【春の季語】
あわ雪泡雪(あわゆき)、
沫雪(あわゆき)、
かたびら雪
たびら雪
だんびら雪

 

あはゆきの つもるつもりや 砂の上
(あわゆきの つもるつもりや すなのうえ)
久保田万太郎

 

淡雪の うしろ明るき 月夜かな
(あわゆきの うしろあかるき つきよかな)
正岡子規

 

淡ゆきや 幾筋きえて もとの道
(あわゆきや いくすじきえて もとのみち)
加賀千代女

 

淡雪の 垣の上なる 海青し
(あわゆきの かきのうえなる うみあおし)
野村泊月

 

淡雪や ふりさけ見れば 伊勢茶碗
(あわゆきや ふりさけみれば いせちゃわん)
西山宗因

 

沫雪の 水際ばかり 光りけり
(あわゆきの みずぎわばかり ひかりけり)
佐藤鬼房

 

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牡丹雪

【春の季語】
牡丹雪(ぼたんゆき)…雪の結晶が多数付着し合い、大きな雪片となって降る雪。牡丹の花びらのように降るからとも、ぼたぼたした雪の意からともいう。
ぼた雪
綿雪(わたゆき)

 

しづかにこころ 満ちくるを待つ 牡丹雪
(しずかにこころ みちくるをまつ ぼたんゆき)
大野林火

 

極楽へ ゆきし誰彼 牡丹雪
(ごくらくへ ゆきしだれかれ ぼたんゆき)
村越化石

 

牡丹雪 海に消えては とどろくも
(ぼたんゆき うみにきえては とどろくも)
加藤秋邨

 

春隣る 空かたぶけて 牡丹雪
(はるどなる そらかたぶけて ぼたんゆき)
西島麦南

 

美しき 夜となしつつ 牡丹雪
(うつくしき よるとなしつつ ぼたんゆき)
森澄雄

 

春暁や 音もたてずに 牡丹雪
(しゅんぎょうや おともたてずに ぼたんゆき)
川端茅舎

 

綿雪や しづかに時間 舞ひはじむ
(わたゆきや しずかにじかん まいはじむ)
森 澄雄

 

残雪の 尾根星ぞらの 若々し
(ざんせつの おねほしぞら わかわかし)
千代田葛彦

 

 

斑雪

【春の季語】
斑雪(はだれ)…まだらに降りつもった雪。また、まだらに消え残った雪のこともいう。
はだれ雪
はだら雪
まだら雪
はだれ野
斑雪山(はだれやま)、

 

雨ながら 斑雪の光 野に競ふ
(あめながら はだれのひかり のにきそふ)
堀口星眠

 

松過ぎや 斑雪の上の 雪催ひ
(まつすぎや はだれのうえの ゆきよもい)
石田波郷

 

夜は星に 解けゆくはだれ 野の起伏
(よるはほしに とけゆくはだれ ののきふく)
稲畑廣太郎

 

斑雪山 月夜は滝の こだま浴び
(はだれやま つきよはたきの こだまあび)
飯田龍太

 

暮れ際の さくらむらさき 斑雪山
(くれぎわの さくらむらさき はだれやま)
堀口星眠

 

犀川や 黒き瓦の はだら雪
(さいがわや くろきかわらの はだらゆき)
井上 雪

 

 

雪解け

【春の季語】
雪解け・雪解(ゆきどけ)…降り積もった雪が春になって水になること。雪が解けること。また、その時、ゆきげのこと。
雪解・雪消(ゆきげ)、
雪解川(ゆきげがわ)、
雪解水(ゆきげみず)、
雪解風(ゆきげかぜ)、
雪解野(ゆきげの)、
雪解田(ゆきげた)、
雪解道(ゆきげみち)、
雪解靄(ゆきげもや)、
雪解星(ゆきげぼし)、
雪解光(ゆきげこう)、
山雪解(やまゆきげ)、
雪ねぶり…春の日差しに照らされて眠る様に雪が姿を消していく雪解けのころ、地面に立つもやのこと。

 

雲一つなくて まばゆき 雪解かな
(くもひとつなくて まばゆき ゆきどけかな)
久保田万太郎

 

しばらくは 雪解の音に かこまるる
(しばらくは ゆきげのおとに かこまるる)
加藤楸邨

 

雪どけや 深山ぐもりを 啼からす
(ゆきどけや みやまぐもりを なくからす)
久村暁台

 

村ぢゆうの 畦あらわるる 雪解かな
(むらじゅうの あぜあらわるる ゆきどけかな)
長谷川 櫂

 

白雪や 雪解の沢へ うつる空
(しらゆきや ゆきげのさわに うつるそら)
炭 太祇

 

つやゝかに 蔓の実さがる 雪解かな
(つややかに つるのみさがる ゆきげかな)
野村伯月

 

あかあかと 白樺を透く 雪解川
(あかあかと しらかばをすく ゆきげがわ)
飯田蛇笏

 

両岸の山も映らず 雪解川
(りょうぎしの やまもうつらず ゆきげがわ)
右城暮石

 

雪解川 峠の下を 衝きにけり
(ゆきげがわ とうげのしたを つきにけり)
野村喜舟

 

夕星や おとろへそめし 雪解風
(ゆうつづや おとろへそめし ゆきげかぜ)
相馬遷子

 

夜の雲を 光つらぬく 雪解風
(よるのくもを ひかりつらぬく ゆきげかぜ)
相馬遷子

 

またたきに みどりさしそめ 雪解星
(またたきに みどりさしそめ ゆきげぼし)
鷹羽狩行

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雪雫

【春の季語】
雪雫(ゆきしずく)…屋根や木など、高いところからしたたり落ちる雪解け水のこと。きらびやかに落ちるさまは春らしく美しい情景。
雪解雫

 

竜髯に 雪解雫の 艶かさ
(りゅうぜんに ゆきげしずくの つややかさ)
西山泊雲

 

鶸の声 透る楓の 雪雫
(ひわのこえ とおるかえでの ゆきしずく)
飯田龍太

 

月明に 音して雪解 かな
(げつめいに おとして ゆきげ しずくかな)
廣瀬町子

 

雪しろ

【春の季語】
雪しろ・雪代…野山の積雪が春の暖気に解けて流れ出る雪解け水のこと。雪代水。
雪汁(ゆきじる)、
雪濁り(ゆきにごり)…寒気がゆるみ雪がとけて、川や海の水が濁ること。
雪しろ水
春出水(あるでみず)、春の洪水、

 

川音す 雪代 岩皿にのせ
(かわおとす ゆきしろ いしざらにのせ)
森澄雄

 

雪しろの 溢るるごとく 去りにけり
(ゆきしろの あふるるごとく さりにけり)
沢木欣一

 

雪汁の 底ゆく音や 雪の坂
(ゆきじるの そこゆくおとや ゆきのさか)
会津八一

 

雪汁の しの字に曲る かきねかな
(ゆきじるの しのじにまがる かきねかな)
小林一茶

 

湧く水の 上にうかぶや 雪濁り
(わくみずの うえにうかぶや ゆきにごり)
松瀬青々

 

かうかうと 雪代が目に 眠られず
(こうこうと ゆきしろがめに ねむられず)
加藤楸邨

雪しろの 溢るるごとく 去りにけり
(ゆきしろの あふるるごとく さりにけり)
沢木欣一

 

かわかわと 鴉にゆるぶ 雪濁り
(かわかわと からすにゆるぶ ゆきにごり)
角川源義

 

 

雪間

【春の季語】
雪間(ゆきま)…冬の間に降り積もった雪が、春になって薄くなり、ところどころ鹿の子斑に地表があらわとなる。その隙間のことをいう。 積もった雪のところどころ消えた所。
雪のひま
雪の絶間(たえま)、

 

馬の尾を 結びあげたる 雪間かな
(うまのおを むすびあげたる ゆきまかな)
久村暁台

 

雪間から 雪間へつづく 汽笛かな
(ゆきまから ゆきまへつづく きてきかな)
清水逍径

 

雪の上に 雪間に木々の 影ながれ
(ゆきのうえに ゆきまにきぎの かげながれ)
皆吉爽雨

 

雪間より 薄紫の 芽独活哉
(ゆきまより うすむらさきの めうどかな)
松尾芭蕉

 

山里や 雪間を急ぐ 菜の青み
(やまざとや ゆきまをいそぐ なのあおみ)
井上井月

 

暮れがての 雀ちらばる 雪のひま
(くれがての すずめちらばる ゆきのひま)
岸田稚魚

 

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雪の果

【春の季語】
雪の果(ゆきのはて)…その春、最後に降る雪のこと。あたたかくなり、降り納めのように降る、降りじまいの雪。
名残の雪(なごりのゆき)、
涅槃雪(ねはんゆき)、
雪涅槃(ゆきねはん)、
雪の終(ゆきのおわり)、
雪の別れ(ゆきのわかれ)、
忘れ雪
終雪(しゅうせつ)、

 

みちのくの 古き協会 雪の果
(みちのくの ふるききょうかい ゆきのはて)
福田寥汀

 

雪の果 山の日あたる 障子かな
(ゆきのはて やまのひあたる しょうじかな)
前田龍雨

 

六甲の 山頂白き 雪の果
(ろっこうの さんちょうしろき ゆきのはて)
稲畑汀子

 

夜半より 雪の別れと よゝと降る
(やはんより ゆきのわかれと よよとふる)
星野立子

来し方を 白に変へたる 忘れ雪
(こしかたを しろにかえたる わすれゆき)
泉田秋硯

 

春告ぐる 名残の雪と 思ひけり
(はるつぐる なごりのゆきと おもいけり)
稲畑汀子

 

月ほそし 石垣に沿ふ 忘れ雪
(つきほそし いしがきにそう わすれゆき)
清水万里子

 

残雪

【春の季語】
残雪…春になっても消えないで残っている雪のこと。
残る雪
根雪万年雪
雪残る陰雪
去年の雪(こぞのゆき)、
雪形(ゆきがた)…山腹にできる残雪の形。

 

北山や しざりしざりて 残る雪
(きたやまや しざりしざりて のこるゆき)
炭 太祇

 

残雪や ごうごうと 吹く松の風
(ざんせつや ごうごうふく まつのかぜ)
村上鬼城

 

一枚の 餅のごとくに 雪残る
(いちまいの もちのごとくに ゆきのこる)
川端芽舎

 

残雪に 古葉散る音 一夜きく
(ざんせつに ふるばちるおと いちやきく)
松村蒼石

 

根雪ふみ 新雪にぬれ 旅の町
(ねゆきふみ しんせつにぬれ たびのまち)
及川貞

 

田一枚 一枚づつに 残る雪
(たいちまい いちまいづつに のこるゆき)
高浜虚子

 

お静かに ござれ 夕陽いまだ のこんの雪
(おしずかに ござれ ゆうひいまだ のこんのゆき)
西山宗因

 

 

堅雪

【春の季語】
堅雪(かたゆき)…春の暖気をうけて解けかかった雪が、夜の冷えなどでザラメのように堅く凍りついた状態のこと。
雪垢(ゆきあか)…堅くなってよごれた雪のこと。
雪泥(せつでい)…雪と泥。雪解けのぬかるみ。

 

月光が 堅雪わたり 吾が胸へ
(げっこうが かたゆきわたり わがむねへ)
高松玉麗

 

雪割

【春の季語】
雪割(ゆきわり)…凍結した雪を割って取り除き、地表を露出させること。
雪切(ゆききり)…踏み固められた雪を割り起こして、捨てること。
雪消し
雪割夫(ゆきわりふ)、

 

雪割ると 仄めくみどり 鳩の胸
(ゆきわると ほのめくみどり はとのむね)
成田千空

 

雪割の 雪の流るる 村はずれ
(ゆきわりの ゆきのながるる むらはずれ)
堀越胡流

 

雪割の 雪燦爛と 町さびし
(ゆきわりの ゆきさんらんと まちさびし)
岸田稚魚

 

春の雪切身にしても 鱈は重し
(はるのゆき きりみにしても たらはおもし)
鈴木真砂女

 

雪切りの 雪ぞろぞろと 流しけり
(ゆききりの ゆきぞろぞろと ながしけり)
斎藤草村

 

杣人の 雪消しといふ 木の芽雨
(そまびとの ゆきけしという きのめあめ)
岡村紀洋

 

雪崩

【春の季語】
雪崩(なだれ)…山などの斜面に積もった大量の雪が、急激にくずれ落ちる現象のこと。
雪なだれ
雪くずれ
なだれ雪
底雪崩(そこなだれ)、
風雪崩(かぜなだれ)、
遠雪崩(えんなだれ)、

 

青天に 音を消したる 雪崩かな
(せいてんに おとをけしたる なだれかな)
京極杞陽

 

天懸る 雪崩の跡や 永平寺
(てんかかる なだれのあとや えいへいじ)
皆吉爽雨

 

地の底に 音を這はせて 遠雪崩
(ちのそこに おとをはわせて えんなだれ)
東福寺碧水

 

夜半さめて 雪崩をさそふ 風聞けり
(やはんさめて なだれをさそう かぜきけり)
水原秋櫻子

 

天心の 月ふるひたる 雪崩かな
(てんしんの つきふるいたる なだれかな)
吉田冬葉

 

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雪以外のもの

『雪』がつく【春の季語】には、雪以外をあらわしているものも多くあります。

こちらでは、雪以外をあらわす『雪』がつく【春の季語】をご紹介していきます!

 

雪囲とる

【春の季語】
雪囲とる(ゆきがこいとる)…雪国で、風雪を防ぐため、家の周囲を囲うこと。また、その設備、雪垣のことをいう。
雪垣解く(ゆきがきとく)、
雪除とる(ゆきよけとる)、

 

雪囲ひ 解きて仏を よろこばす
(ゆきがこい ときてほとけを よろこばす)
日下部宵三

 

雪囲ひ 解かれて空も ゆるみけり
(ゆきがこい とかれてそらも ゆるみけり)
小畑柚流

 

雪囲ひ 解かれてもとの 無一物
(ゆきがこい とかれてもとの むいちぶつ)
小林呼渓

 

 

雪解月

【春の季語】
雪解月(ゆきげつき)…陰暦二月の異称。『如月』に同じ。

 

 

雪代山女

【春の季語】
雪代山女(ゆきしろやまめ)…雪解け水がほとばしる渓流で獲れる山女のこと。
雪代岩魚(ゆきしろいわな)
雪代鱒(ゆきしろます)

 

川音す 雪代岩魚 皿にのせ
(かわおとす ゆきしろいわな さらにのせ)
森 澄雄

 

月日逝き 雪代山女 跳び付けり
(つきひゆき ゆきしろやまめ とびつけり)
村上瑪論

 

掌の 鼓動たしかに 雪代山女なり
(てのひらの こどうたしかに ゆきしろやまめなり)
能村登四郎

 

 

雪晒

 

【春の季語】
雪晒(ゆきざらし)…布などを雪中にさらすこと。雪が日光を反射する際に発生するオゾンを利用して苧麻糸や苧麻織物を漂白することをいう。越後の小千谷縮のものが知られている。

 

雪に織り 雪に晒して 越暮らし
(ゆきにおり ゆきにさらして えちぐらし)
町 淑子

 

雪晒し 夜は凍み晴れの 星絣
(ゆきざらし よるはしみばれの ほしがすり)
小枝秀穂女

 

雪晒 わが身の影も 晒しけり
(ゆきざらし わがみのかげも さらしけり)
上野章子

 

 

雪椿

【春の季語】
雪椿(ゆきつばき)…ツバキ科の常緑小高木で、本州の日本海側の雪の多い山地に自生している。枝は低く垂れて、葉は広卵形。4,5月頃、赤い花が咲く。寒さに強く、栽培もされる。

 

山伏の 奥駆け径や 雪椿
(やまぶしの おくかけみちや ゆきつばき)
阿部月山子

 

雪柳

【春の季語】
雪柳(ゆきやなぎ)…バラ科シモツケ属の落葉低木で、高さ1~2mになり弓なりに細い枝が密に垂れる。葉は柳に似て細く、3~4月頃、白い小さな花がまるで雪をかぶったように美しく咲くことによりこのような名称になったといわれる。
噴雪花(ふんせつか)、

 

雪柳 ふぶくごとくに 今や咲く
(ゆきやなぎ ふぶくごとくに いまやさく)
石田波郷

 

こぼれねば 花とはなれず 雪やなぎ
(こぼれねば はなとはなれず ゆきやなぎ)
加藤秋邨

 

山門に 雪のごとくに 雪柳
(さんもんに ゆきのごとくに ゆきやなぎ)
山口青邨

 

香雪蘭

【春の季語】
香雪蘭(こうせつらん)…フリージアの別称で、アヤメ科の多年草。

 

 

大松雪草

【春の季語】
大松雪草(おおまつゆきそう)…ヒガンバナ科の球根植物で、原産地は地中海沿岸。草丈40㎝、水仙のような細長い光沢のある葉が根元から伸びる。4,5月頃、茎の先に鈴蘭に似た1~2㎝の白い花がうつむき加減に咲きます。スノーフレークの別名。

 

 

松雪草

【春の季語】
松雪草(まつゆきそう)…地中海東部原産のヒガンバナ科の植物。スノードロップのこと。日陰を好み、2月頃、釣り鐘状の白い小さな花をつける。花弁の内側には緑色の斑点がある。草丈約20㎝ほど。
ゆきのはな、

 

雪割草

【春の季語】
雪割草(ゆきわりそう)…キンポウゲ科ミスミソウ属の多年草。2~3月頃、水はけのよい斜面によく見られる。1~1.5㎝の白色、紅色、紫色の花をつける。州浜草、三角草の別名。

 

よきことは いつか来るもの 雪割草
(よきことは いつかくるもの ゆきわりそう)
鈴木伊都子

 

みんな夢 雪割草が 咲いたのね
(みんなゆめ ゆきわりそうが さいたのね)
三橋鷹女

 

雪割草 谷間の風に たじろがず
(ゆきわりそう たにまのかぜに たじろがず)
設楽隆夫

 

雪間草

【春の季語】
雪間草(ゆきまぐさ)…一面を覆っていた雪が春のあたたかさで消えて土があらわれるが、その雪間に萌え出た草のことをいう。春の訪れを実感できる草。

 

雪消える 方へ傾き 雪間草
(ゆききえる ほうへかたむき ゆきまぐざ)
後藤比奈夫

 

たたずめば 天の匂ひの 雪間草
(たたずめば てんのにおいの ゆきまぐさ)
堀口星眠

 

暮れがての 日の忍び寄る 雪間草
(くれがての ひのしのびよる ゆきまぐさ)
岸田稚魚

 

つぼみはや 秘めたるもあり 雪間草
(つぼみはや ひめたるもあり ゆきまぐさ)
鷹羽狩行

 

雪海苔

 

【春の季語】
雪海苔(ゆきのり)…雪の降る頃に多く岩につき、採取するところからこのように呼ぶ。日本海沿岸で採取される海苔の一種。黒海苔、甘海苔などともいう。

 

 

花雪洞

 

【春の季語】
花雪洞(はなぼんぼり)…夜桜の趣きを引き立たせるために、花下に設ける篝火のことをいう。

 

花雪洞 揺るるほどにも 人寄らず
(はなぼんぼり ゆるるほどにも ひとよらず)
寺井富三郎

 

 

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まとめ

今回は、『雪』がつく【春の季語】をご紹介させていただきました。

【春の季語】にも、『雪』がつく言葉が数多くあります。

これらの季語は、『雪』そのものを表わすこともあれば、『雪』以外をあらわすものも。

あなたの言葉の表現に役立てば幸いです^^

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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