日々の暮らしの中で、あなたはどんなことばを使っていますか?
ふと、どのような言葉で伝えたらよいのか、悩むことはありませんか?
普段、わたしたちが日常で使っている言葉は、思っている以上に限られています。もしかすると、その限られたことばで、事足りてしまうかもしれません。
しかし、言葉が限られていると、おなじ言葉を何度も使ったり、繊細な気持ちや熱い思いがいまいち伝わらないことも。
大和言葉といわれる日本古来からの和語には、優雅で洒落た言い回しや、語感や響きが美しいものが多くあります。
今回は、日常や仕事などで役立つ大和言葉をあつめました。きっとあなたの会話や文章が、いまより美しく素敵なものになること間違いなしです!
暮らしの大和言葉
こちらでは、暮らしのなかで役立つ大和言葉をシーン別にまとめました。
大和言葉とは、日本古来の和語のこと。
現代の日本語には、大きく3種類の言葉があります。そのうちのひとつが大和言葉。ほかの2つは、漢語と外来語です。
大和言葉は、漢語や外来語にくらべて、やわらかな言い回しが多い言葉です。ただし、漢語のようにわかりやすく、端的ではないことが多いので、使用頻度が少ない傾向にあるのが現状です。
あなたも日常を振り返ってみれば、漢語や外来語をつかうことが多くありませんか?
もう一度原点に戻るような気持ちで、大和言葉を意識して使ってみませんか?
大和言葉なら、もっと細やかにことばで気持ちを伝えることができるようになります。それでは、暮らしに役立つ大和言葉をご紹介していきます!
あいさつ
こちらでは、あいさつやはじめの言葉をあつめました。
ご近所の方や職場の方などと挨拶するときや、会話のきっかけやはじめに伝えるときなどに使える大和言葉です。
いつものあいさつやひと言が、ちょっと丁寧に。思いもやわらかく伝わります。
挨拶とはじめの言葉
『ご無沙汰しております』
「お久しぶりです」と同意で、長い間連絡をとっていなかった相手に対して、始めの挨拶や書き出しで使われる言葉。
「無沙汰」とは、便りをしないこと、訪問しないことの意で、「ご無沙汰」とは、この丁寧語のこと。
『お加減いかがですか』
以前病気であることを聞いた方へ、その後の調子を伺うときに使う言葉。
例)以前ご病気と承りましたが、その後、お加減いかがでしょうか?
『お陰様で元気にしております』
相手への感謝をあらわす言葉。「お陰」とは、人から受けた力添えや神仏のご加護の意味がある。
『素敵なお召し物ですね』
着ているものの尊敬語。「召し」は、着るの尊敬語「召す」の連用形。
『今日は色鮮やかな出で立ちですね』
「出で立ち」とは、姿や装い、身なりなどのことをいいます。
『どうぞお見知りおきください』
「どうぞよろしくお願いいたします」と同じ意味合い。「見知りおく」とは、人の名前と顔を記憶に留めることを意味する言葉です。
天気や季節
こちらでは、天気や季節にかんする大和言葉をあつめました。
ちょっとした会話のきっかけや、その日の様子など、日常でも天気や季節のことは、よく出る話題のひとつです。
このようないつもの話題に、大和言葉で、新鮮さや彩りをあたえてみませんか?
「風薫る」とは、初夏に若葉の香りを運んでくる、さわやかな風のこと。「五月晴れ」は、5月のよく晴れた天気のこと。どちらも夏の季語。
『蝉しぐれが聞こえるようになりましたね』
「蝉しぐれ」とは、蝉が一斉に鳴きたてる声を時雨の降る音に見立てた言葉。夏の季語。
『だいぶ秋めいてきて、しのぎやすくなりましたね』
「秋めく」とは、秋らしくなる、身に秋を感じるようになるという意味。
「しのぎやすくなる」とは、困難だったり、不快だったりする状況を無事にやり過ごせるさまをいう。もっぱら、夏の暑さを話す文脈で用いられる。
『うららかな日差しで、まさに小春日和ですね』
「うららか」とは、空が晴れて、日ざしも明るくのどかなさまをいう。「小春日和」とは、晩秋から初冬にかけての、晴れて暖かく、穏やかな天気のことで冬の季語。
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「春雨(はるさめ)」とは、春に静かに降る細かい雨のこと。春の季語です。
『雨脚が早いですね』
雨が降りながら通り過ぎていく速度が速いという意味。「雨脚」とは、雨の降り方や、線状に見える降り注ぐ雨のことをいう。
『いいお湿りですね』
「お湿り」とは、晴天続きの乾いた地面をぬらす程度の雨が降ることをいう。「いいお湿り」は恵みの雨。
『お足もとの悪い中、ようこそおいでくださいました』
「お足もとの悪い中」とは、雨や雪などで道がぬかるんでいたり、歩きにくい状況のことをいい、そのような中でも訪ねてきてくださった方を気遣い、ねぎらうときに使う言葉。
素敵な言い回し
贈り物やおもてなし
贈り物でのやりとりや、お客さまのおもてなしなど、大切な場面ではきちんと気持ちを伝えていきたいものです。
そのようなときに、細やかなところまで思いが相手に伝われば、より関係も良好なものに。
こちらでは、贈り物やおもてなしのときに役立つ大和言葉をあつめました。
『心ばかりの品ですが』
ほんの少しの、ささやかな、ちょっとしたものという意味。「つまらないものですが」とか、「粗品ですが」と伝えるよりも、「心ばかりのもの」と伝える方が相手に伝える印象もよい。
『道すがら、こちらの和菓子を購入しました』
「道すがら」とは、ゆく道の途中、道を歩きながら、みちみち、などの意味。
『お持たせで恐縮ではございますが、お一つどうぞ』
「御持たせ(おもたせ)」とは、人が持ってきた手土産の尊敬語のこと。
『ほんのお口汚しですが、どうぞお召し上がりください』
客人(とくに目上の相手)に料理や食べものをすすめるときに、へりくだって言う言葉のこと。
「口汚し」とは、まずい食べ物ということではなく、料理が少なく口を汚す程度のものしかないという意味。お客様に料理をすすめるときの謙遜語。
『お言葉に甘えて、頂戴します』
相手からの好意を受け止めるときに使う言葉。
『お粗末様でございました』
もてなしたお相手に礼を言われた時に、謙遜の気持ちを込めていう言葉。どういたしまして、などと同じような言葉。
素敵な言い回し
自分のことを伝えるときなど、言い方によってはただの自慢に聞こえてしまうことがあります。
大和言葉の素敵な言い回しを知っていると、伝えたいことがやわらかな印象で的確に相手に届けることができます。
こちらでは、そのような素敵な言い回しの大和言葉をあつめました。
『私事で恐縮ではございますが』
「私事」とは、自分だけに関する個人的なことという意味。私生活や個人的なことを相手に伝えるときに使うと、ワンクッションおいて伝えることができます。
『ほんの手慰み(てなぐさみ)ではじめました』
「暇にまかせて、たしなんでいるんですよ」というように謙遜しながら伝える言葉。
趣味など、自分ではまずまずの腕前だと思っていても、自慢にならずに伝えることができる言葉です。
『茶道を嗜んで(たしなんで)おります』
芸事などを好んで専念する、常に心掛ける、好んで親しむなどの意味。芸事などの心得があることもいう。
『彼女とは、同郷の誼で親しくさせていただいております』
「どうきょうのよしみ」と読みます。「誼」とは、人と人とのつながりや縁、縁故のこと。「同郷の誼」とは、「同じ出身地という縁で」という意味。
『宵の口(よいのくち)に伺うことになると思います』
「宵の口」とは、日が暮れて間もない頃のこと。
御祝い時の言葉
御祝いにも、さまざまなシチュエーションがあります。
『おめでとう!』や『素敵!』などもすばらしいことばですが、もっと、その時々の思いが伝わるような言葉を使えるとよいのではないでしょうか。
こちらでは、そのような御祝いにかんする大和言葉をあつめました。
『言祝ぐ(ことほぐ)』
御祝いや喜びのことばを述べること。ことばで祝福すること、また祝うこと。
言葉による祝福や、祝福のことばのことは『言祝ぎ』という。
『門出』
家を出て旅立つことをいう。新生活への出発の意味。
例)人生の門出、おふたりの晴れの門出を祝して
『はなむけの言葉』
旅立ちや門出に際して、激励や祝福の気持ちをこめた言葉のこと。
『幾久しくお幸せに』
いつまでも、末永くの意味。
『一入(ひとしお)』
程度がさらに増すようなさま。「いっそう」「ひときわ」などの意味。
『着映え(きばえ)がする』
袖を通す前より、袖を通した方が、衣服が美しくみえるようなさま。
『目映い(まばゆい)お姿』
まぶしく感じられるほど素晴らしく、美しいという意味。
『目頭が熱くなりました』
感動して涙が出そうになること。感極まり、じんわりと浮かんだ涙をこらえるようなさま。
白髪になるまで、夫婦がそろって長生きすること。
『仲睦まじく立ち添うように』
離れないでそばにいるという意味で、寄り添うとも同じ。
『破れ鍋に綴じ蓋(われなべにとじぶた)』
どのような人にもその人に合った配偶者がいるものがということ。
『契り(ちぎり)を結ぶ』
夫婦の約束をすることの意味。
『産声(うぶごえ)を上げる』
赤ん坊が生まれること。
『笑みがこぼれる』
嬉しさのあまり、思わず笑顔になってしまうこと。
『思わず頬がゆるみました』
にこにこと、表情が和らぎ、口元が思わず緩むこと。
『身二つになる』
出産することの意味。赤ちゃんがお母さんの身体から出て、別個の人間になることに由来する言い回し。
『この上ない喜びを感じています』
これ以上のものはない、最上、最高などの意味。
『首を長くして待っていました』
あることの実現を待ち焦がれる様子をいう。
『産後の肥立ちがよい』
「肥立ち」とは日一日と成長することの意味で、この場合は、出産で消耗した体が順調に回復することをいう。
『直向き(ひたむき)に取り組む』
ただ一つのことに心を向けるさま。熱心に、一途に取り組むさま。
『石にかじりついても』
どんな苦労をしても我慢する、是が非でも、などの意味。
『飛ぶ鳥を落とす勢い』
極めて権勢が盛んな様子をあらわす言葉。
『我武者羅に(がむしゃらに)がんばった』
ひとつの目的に向かって夢中で取り組むさま。
『瓢箪(ひょうたん)から駒』
思いがけない所から、思いがけないものが出ることをいう。
『故郷へ錦を飾る』
成功して故郷へ帰るの意味。
『瞬く(またたく)間に』
あっという間、たちまちなどの意味。きわめてわずかな時間のこと。
『幸先(さいさき)よいスタート』
よいことが起きる前兆や吉兆のこと。「幸先よいスタート」とは、出だしが好調でこれから期待がもてそうな状況のことをいう。
『来し方行く末(きしかたゆくすえ)』
過去と未来のこと。
『倦まず弛まず努力した』
「うまずたゆまず」と読み、飽きたり、怠けたりもせずという意味のことば。
『骨休め』
体を休めることの意味。
『大手(おおで)を振って』
両手を大きく振って歩くさまをいい、そこから、遠慮せず、こそこそせずに堂々とふるまうさまを指すようになった。
ご不幸の時の言葉
ご不幸のときこそ、言葉選びがとても重要になります。
大和言葉では、相手の方を傷つけることなく、いたわる心や思いやりの心を伝えることが出来ることばが数多くあります。
こちらでは、そのようなご不幸のときに関することばをあつめました。
『しめやかに』
ひっそりと静かなさま。人々の気分が沈み悲しそうな様子をあらわす。
『虫の知らせ』
不幸が起きる前兆を感じる不思議な体験のこと。なんとなく予感すること。
『花を手向ける』
「たむける」と読みます。神仏や死者の霊に供物をささげることをいう。この場合はお花をささげること。
『息を引き取る』
息が絶えること。死ぬこと。
『長い闘病の末、果敢無くなる』
「はかなくなる」と読み、死ぬこと、死去することをいう。
『30歳という若さで身罷る(みまかる)』
この世を去ること。死ぬということ。
『御弔い(おとむらい)』
人の死を悲しみ悼むこと。お悔み。
『悲しみは如何ばかりか』
どれほど、どれくらい、どんなにか、などの意味。
『帰らぬ旅に赴く』
死んであの世に行くことをいう。死出の旅。
『御身お厭いください』
「おんみおいといください」と読む。
大切な人を亡くされ悲しむ方にかける言葉には悩むものですが、この言葉には「どうぞお大事に」という意味がある。ご不幸に限らず、手紙の結びでも使う言葉です。
『草葉の陰から見守る』
「草葉の陰」とは、お墓の下、あの世のこと。死後も、生前縁のあったひとを見守るということ。
『葬儀・法要・お悔やみの挨拶と手紙』―文例がすぐに見つかる、気持ちが言葉になる
仕事で大和言葉
仕事やビジネスの場でも、大和言葉はとても活きてきます。
こちらでは、仕事に役立つ言葉をあつめました。
交渉する
交渉の場では、言葉選びや伝え方で大きく結果が違ってくることが、しばしばあります。
大人として、社会人としても、覚えておきたい言い回しが数多くあります。
『有り体に申しますと』
「ありていにもうしますと」と読み、本音を伝えるときにつかう言葉。嘘偽りなくや、ありのままになどの意味となる。
『鑑みて(かんがみて)』
比べて考えるという意味で、過去や前例など、比較対象と照らし合わせて考えるときに使うことば。検討した結果を丁寧に伝えることができる。
『差支えなければ』
「さしつかえなければ」と読み、よろしければ、不都合なことはない、差し障りは無いなどの意味。相手の意向を尊重して尋ねるときに使うことば。
『然りとて(さりとて)』
そうだからと言って、などの意味で、先に言った言葉を打ち消す形になります。
例)先日伺った販売戦略は悪いものではありません。さりとて、それがベストであるとも思えません。
『企画のあらましについて』
大体のところ、おおよそ、概要などの意味。
『概ね(おおむね)計画通りに進んでおります』
おおよそ、大体、まあまあ、総じてなどの意味。
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『折り合い』
歩み寄る、妥協する、合意に達するなどの意味。話がまとまったときには、「折り合いをつける」「折り合いがつく」などのように使う。
『取り持つ』
仲介や橋渡し、仲立ちなどの意味。両者がうまくいくように世話をするときなどに使う。
『取り成す』
仲立ち、仲裁や仲介の意味。対立する二者の関係を修復するときに使うことば。
『お力添えいただいたおかげで』
相手に力を貸す、援助するなどの意味で、目上の相手に助けを求めるときにつかう言葉。
『よんどころない事情で』
そうするよりほかにしようがない、仕方がない、やむを得ないなどの意味。
『不躾な(ぶしつけな)』
失礼を承知でという心情を伝える言葉。失礼ではありますが、身勝手ではございますが、などの意味になる。
『手を煩わす』
「お手を煩わせますが、」などのように、相手に面倒をかけることになるときや、お世話になるときに添える言葉。
『横車を押すつもりはございません』
「横車を押す」とは、道理に合わないことを無理やりの押し通すようなことをいい、理不尽なことを強引に行うという意味がある。
『先日お話した件で、お知恵を拝借したいのですが』
目上の方などから、助言や手助けを請うときに使う言葉。
『安請け合い』
よく考えないで、軽々しく引き受けるという意味。
例)安請け合いして、かえってご迷惑をおかけしては申し訳ありません。
『含みおく』
心に留めておく、事前に理解しておくなどの意味。目上の方やお客様に対して、「お含みおきください」というような使い方になる。あらかじめ知っておいてくださいね、と了解を得ることになる。
『今しがた』
たった今、ほんの少し前、ついさっき、などの意味。「今しがた、社内に戻りました」のような使い方になる。
『芳しくない』
「かんばしくない」と読み、香りがよいという意味の「かぐわしい」が変化した「芳しい」の否定形の言葉。「芳しくない」は、出来のよくない状態を遠まわしに伝えるときに使う言葉。
例)進捗状況は、あまり芳しくない状況です。
頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術 [ 犬塚 壮志 ]
意見を伝える
意見を伝えるときも、やわらかく的確に伝えることができれば、誤解や反感をかうことも少なくなるのではないでしょうか?
こちらでは、自分の思いや考え、意見を伝えるときに役立つ大和言葉をあつめました。
『火を見るよりも明らか』
確実な、疑いようがないなどの意味で、悪い結果になることが予想されるときに用いる言葉。
例)このままでは売り上げが伸びないのは、火を見るより明らかです。
『仕切り直し』
最初からやり直すという意味。
例)仕切り直して、後日改めてご提案いたします。
『口幅ったいことを申し上げると』
身の程知らずで、えらそうな口のきき方のことをいい、生意気ななどの意味。
例)「口幅ったいことを申し上げるようですが…」というような使い方になる。
『如何せん(いかんせん)』
どうしようもないことには、残念ながら、などの意味。
例)商売をはじめるにも、いかんせん資金が足りなすぎる。
『縦しんば(よしんば)』
仮にそうであっても、たとえそうであても、などの意味。
例)よしんば来月完成したとしても、この契約には間に合わない。
『おこがましい』
分不相応ではあるが、出過ぎている、差し出がましい、などの意味。
例)「大変おこがましいことを申し上げるようでございますが…」などのように使う。
『弁える(わきまえる)』
正しく判断して見分ける、判断する、心得るなどの意味。「立場をわきまえる」などのように使います。
『ありていに言えば』
「有り体(ありてい)」とは、嘘いつわりなく、ありのままにの意味。「ありていに申し上げますと」などのように本音を伝えるときに使います。
『思いのほか』
意外に、思いがけずなどの意味。「思いのほか、速やかにに契約ができました」などのように使います。
『ごもっとも』
相手の言動に対して、それは当然であると同調するときに使う言葉。道理にかなっているという意味。
『惜しむらくは』
「おしむらくは」と読み、惜しいことには、残念なことにはなどの意味。
例)この絵画は大変すばらしいが、惜しむらくは、迫力に欠けている。
『やぶさかではない』
努力を惜しまずに喜んですることの意味で、「当社が協力するにやぶさかではないと考えております」というような使い方になります。
『つかぬことを伺いますが』
それまでとは関係のないことを聞き出すときに、話の切り出しに使う言葉。
『掛け値なしに』
誇張や尾ひれをつけることがなく、正味の評価であるとう意味。「掛け値」とは、実際よりも高い値段をつけることをいう。
ものごとの扱いで相手に温情を示す行為のこと。祝儀を出す、値引きする、割り増しする、景品をつけるなどをすること。
「いささか」とは、わずか、少しの意味。「足が出る」とは、予算または収入よりも出費が多くなり、赤字が出ることをいう。
遅い早いの違いはあっても、いずれは、そのうちなどの意味で、「早晩」と同じ。
『ご多分に漏れず』
良い意味ではない、一般的な事柄に用いる言葉。世間の多くの例と同じに、などの意味。
例)ご多分に漏れず、当社も少子高齢化の影響を受けております。
(人と同じ)失敗を繰りかえすの意味で、「彼の二の舞を演じないようにしなければなりません」というような使い方をする。
『大鉈(おおなた)を振るう』
不要なものを切り捨てたり、大胆な処置や改革をおこなうことの意味。
例)不況により、合理化のため大鉈を振るう会社が続出した。
御礼のことば
御礼はきちんと言葉で伝えなければ、相手に届きません。
『ありがとうござました』でも十分ですが、もっと細やかに思いが伝わることばを選べば、相手のあなたへの印象も変わります。
こちらでは、御礼にかんする大和言葉をあめました。
『細やかなお心遣いをありがとうございます』
「心遣い」とは、相手のためを思い、いろいろと気をつかうことをいう。「細やか」とは、配慮が細部にわたっていて優れている様をいう。
『お心配りいただき、感謝申し上げます』
相手の気持ちや状況を考え、あれこれと心を行き渡らせること。注意を払うこと。「心遣い」と同意。
『心にかける』
覚えておく、気にするなどの意味で、いつも見守ってくださっている方へ向けるような言葉。「いつもお心にかけてくださり、ありがとうございます」という使い方になる。
『身に余るお言葉をいただき、痛み入ります』
人の親切や好意に恐れ入ることで、感謝以上に恐縮する気持ちを伝える言葉。「自分にはもったいない、恐れ多い」という気持ちを伝えるときに使います。
なお、会話よりも、手紙やメールで使用する言葉になります。
『取り成す』
仲裁や仲介などのことで、仲直りさせる、とりもつ、よいように取り計らうなどの意味。
例)部長に取り成していただき、事なきを得ることができました。
『取り持つ』
仲介や橋渡し、仲立ちなどのことで、両者がうまくいくように世話をするときに使う言葉。「二人の間を取り持つ」「縁を取り持つ」などのように使います。
『足を向けては寝られません』
お世話になった方や上司、恩師などに対して「ご恩は決して忘れません」と感謝を伝えるときの言葉。
『ひと肌脱ぐ』
本気で他人を支援したり、協力をするという意味。喜んで引き受けるような気持ちを伝えるときにも使う言葉。「○○さんのためならひと肌脱ぎます」というように使う。
『風穴を開ける』
状況が変わるきっかけを作るなどの意味で、古い慣習にとらわれている環境や組織がかわるきっかけを作るときに「新社長が停滞していた社内に新しい価値観をもたらし、風穴を開けた」などのように使う。
『お互い様』
相手も自分も同じ立場であり、助けたり、助けられたりする関係であることを表す言葉。
お詫びのことば
お詫びをしなければならないとき、言葉を選びを間違えると、かえって悪化してしまうこともあるのではないでしょうか?
大人として、社会人としても、知っておきたい大和言葉をあつめました。
「申し訳ありません」と同じような意味合いで、自分の行いなどに対して恥ずかしい気持ちに困惑している様子をあらわす言い方。
人の身に起きたことが、まるでわがことのように思われることをいい、他人事とは思えないようなときに使う言葉。わが身に置換て反省する時に使う。
例)明日はわが身と、身につまされる思いです。
『身の程をわきまえず』
自分の能力や地位をわきまえずに行動したときや自分本位、自分勝手なふるまいをしたときにに使う言葉。
『申し開きの余地もございません』
自分の非を認め、弁解の余地が無いことを潔く認める言い回しの言葉。
「申し開き」とは、弁明や弁解、言い訳のことで、理由の正当さや、致し方なかった事情などを明らかにすること。
『肝に銘じる』
心に深く刻み込めて、忘れないことをいう言葉。
例)今回の失敗を肝に銘じて、今後の仕事に活かしていきます。
自分の注意不足や未熟さ、充分な対応ができなかったときに相手に迷惑をかけたり、仕事などで支障をきたしたときに使う言葉。
例)私が至りませんで、ご迷惑をおかけしました。
『顔から火が出る思いです』
恥ずかしさのあまりに顔が真っ赤になることで、自分の至らなさを認めるときなどに使う言葉。
例)先日の自分のふるまいを顧みますと、顔から火が出る思いです。
ひどいミスや対応のことを言うときに使うことば。
『滅相もない(めっそうもない)』
まったくそうではありません、決してそのようなことはない、などの意味で、謙遜して相手の言葉を打ち消すときに使うことば。
例)私が代表になるなど、めっそうもないことです。
※注意※
「めっそうもない」の「ない」は否定語ではなく、「めっそうもない」でひとつの形容詞。「めっそうもありません」という言い方は間違いなので、要注意!
『私どもも行き届かず、誠に申し訳ありませんでした』
相手に対して配慮が足りなかった時や、自分の気が回らなかったときなどに使う言葉。
たとえ相手に理由があったとしても、自分の気が回らなかったことを詫びることが大事で、そのような気持ちを伝えるときに使う言葉です。
「かまける」とは、ひとつのことに気をとられて、それ以外のことがおろそかになってしまうことをいう。
忙しさのあまりに忘れてしまったり、自分の都合で連絡ができなかったことを詫びるときに、相手を気遣うひと言を添えることが大切です。
説明が不十分なときや、相手に自分の意図や思いがきちんと伝わらず誤解が生じたときに、自分の非を認め詫びるときに使う言葉。
『トラブルを招いたのは、私に人を見る目が無く、浅はかだったためです』
考えが足りないさまをいう。失敗などの原因が、自分の思慮の浅さにあることを反省するときなどに使う言葉です。
「はめをはずす」とは、調子に乗って、度を超すことをいう。勢いづいて、度の過ぎた言動を詫びるときに使う言葉。
偉そうなことをいうなどの意味。「利いた風」とは、物知りぶった、生意気な態度をとるさまのこと。
悪い行いにより、結局、自分自身が苦しむことになるという意味。自業自得のこと。「これも身から出た錆と真摯に受け止めております」などのように使う。
何度考えてもなどの意味。取り返しがつかないことをしたと、過ぎたことを悔やまれるときに使う言葉。
例)事前に確認すべきだったと、返す返すも悔やまれてなりません。
たびたび、充分に、深くなどの意味で、念を入れること。くり返し詫びなければ気が済まないようなときに使う言葉。
例)お客さまには多大なるご迷惑をおかけしたことを重ね重ねお詫び申しあげます。
おすすめの本と動画
最後に、大和言葉のおすすめの本を2冊と動画をご紹介します!
おすすめ本
おすすめの2冊はこちら♪
日常や仕事、人生の節目で、言葉選びに迷ったら参考になる本ですよ^^
おすすめ動画
中田敦彦さんのyoutube大学の動画です。
動画で学ぶのって、楽しいですよね!
大人な言葉づかいは、若いうちから慣れていた方が絶対にいい!
年齢が上がっても言葉づかいが幼稚だと、とても残念に見られてしまいます。(とくに女性)
いっしょに学んでいきましょうね^^
まとめ
今回は、日常の暮らしや仕事などで役立つ大和言葉をあつめて、ご紹介させていただきました。
言葉選びって、とても重要ですね。
大和言葉の繊細でみずみずしさのある、言い回しや言葉の数々に驚くばかりです。
せっかくこのような日本古来の言葉があるのですから、わたちたちも、もっとことばを知って暮らしや仕事にいかしていきましょう!
言葉が変われば、あなたの印象も変わります。今よりステキな大人になること間違いなしですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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