『冬の朝』をことばで表現しよう♪冬の季語や言い換え、俳句もご紹介します!

ことばの表現

『冬の朝』といえば、あなたはどんなイメージが浮かびますか?

『冬の朝』は、冬ですからもちろん寒いことが多いですよね。
なので、『寒暁(かんぎょう)』なんていう季語もあります。

『冬の朝』の空気や光には、どんな印象がありますか?

窓の外にはどんな景色が見えるでしょうか?木々や空、地面はどんな感じでしょうか?

今回は、このようなさまざまなシーンから『冬の朝』を表現する季語や言葉、
文章などをあつめました。

ぜひ、言葉で『冬の朝』をたくさん味わってみてくださいね!

『冬の朝』をあらわす季語

『冬の朝』をあらわす季語は、つぎのようにいくつかあります。

ちなみに『冬の朝』という言葉も
【冬の季語】です。

冬の朝、
冬の暁(ふゆのあかつき)、
冬曙(ふゆあけぼの)、
冬暁(ふゆあかつき)、
寒暁(かんぎょう)、
寒の暁(かんのあかつき)、
寒き朝

 

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『冬の朝』にまつわる季語

こちらでは、『冬の朝』に関連する季語をあつめました。

季語読みかた意味
息白しいきしろし寒い日や、冬の朝や夕方など、人や動物の吐く息が白く見えるさまをいう。これは水蒸気を多く含む息が急に冷えて、水蒸気が凝結し、水滴となるため。
凍晴いてばれ凍りつくように寒くて、しかも快晴であること。
凍玻璃いてはり凍ったようなガラスのこと。
凍窓いてまど寒さで、まるで凍りついたような窓のこと。
寒の入りかんのいり一年でもっとも寒くなる時期のことで、1月5日、6日ころのこと。
霜崩れしもくずれ霜柱が日に照らされて崩れたさま。霜柱で持ち上げられた土が、とけて崩れる様子のこと。
霜柱しもばしら寒い冬の朝などに、地面に氷の柱が立ち並ぶ様子のこと。霜柱とは、土中の水分が地表にしみ出て凍結してできる、細い氷柱の集まりのこと。
霜畳しもだたみ地上一面に、まるで畳を敷いたようにおりた霜のこと。
しばれる 北海道、東北地方で使われる言葉で、厳しく冷え込んだときに使う言葉。
軒氷柱のきつらら軒から水の滴りが棒状に凍結したもの。
氷晶ひょうしょう大気中の水蒸気が冷却されて、昇華してできる微細な氷の結晶のこと。ダイヤモンドダストのこと。
氷霧ひょうむ大気中の水蒸気が冷却されて、微細な氷の結晶となり、それが浮遊して光る現象のこと。ダイヤモンドダストのこと。
冬麗ふゆうららおだやかに晴れてうららかな冬の日のこと。
冬日和ふゆびよりおだやかに晴れた冬の日のこと。冬晴れや冬らしい空模様のこと。
湯気立てゆげだて部屋の乾燥を防ぐために、蒸気を発生させること。火鉢やストーブに薬缶をかけたり、加湿器を用いたりする。

 

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『冬の朝』を表現

『冬の朝』を言葉で表現するとき、あなたならどのような言葉をつかいますか?

また、どんな世界が頭に浮かぶでしょうか?

窓から見える真っ白な雪の世界、

やわらかな日の光、

軒下の氷柱から滴り落ちる雫、

あたたかな湯気がたつ台所風景、

灰色の冬の空と枯木、など、

明るくも暗くも、あたたかくも冷たくも、
さまざまなシーンをことばで表現することができます。

こちらでは、『冬の朝』を表現する言葉や文章、俳句などをご紹介していきます。

文章

『冬の朝』を表現した文章をいくつかご紹介します。

文章を読むだけで、まるでその情景が目の前にひろがるようにイメージできることは、ことばの世界の魅力ですね。

 

寒い朝である。枯田には真白な霜が降りていた。
『椿寺まで』浅田次郎

 

空が、初冬の朝の拭き清めたような輝きに満ちる。
『素足の娘』佐多稲子

 

空は晴れて、初冬にはめずらしいやわらかな日射しが、山麓の村に降りそそいでいる。
『蜜謀(下)』藤沢周平

 

朝眼がさめると、その辺がじゅうが凍って、柱の裂ける音が聞こえたり、床の上も土間も歩くとバリバリと鳴り、寒さが皮膚を刺すように感じられて、その辺のものすべてがピンピン響きあうばかりに冴えわたって来ます。
『天の夕顔』中村与一

 

庭が雪景色だ。降り積もった雪の間から、南天の赤い実が艶々と光っている。雪は止んでいるが空は曇り、いつ降り出すか分からない。空気は鉛の色合いと質感を帯び、風もなく音もない。
『家守奇譚』梨木香歩

 

雪は深夜のうちにやんで、今朝はもう呆れるような晴天が広がっている。家の窓から外を見おろしてみても、舗道はきれいに除雪され、濡れたコンクリートが陽光に照らされて輝き、それこそ、見る間に乾いてゆくという感じだった。
 『火車』宮部みゆき

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ことば

こちらでは、『冬の朝』を連想する言葉や表現する言葉をあつめました。

4つのカテゴリーにわけています。

 

【陽光や光】

冴え光る陽光
やわらかな陽射し
やわらかな朝
おだやかな朝
たおやかな光

冬の弱い光
薄い陽光

澄んだ冬の光
静かに降り注ぐ光

 

【風と空気】


しみいる寒さ

朝の空気が肌を突き刺す
朝の冷気
玲瓏な空気
澄みわたる空気
冴えた空気
張り詰めた様な空気
暗く冷たい霧の粒
氷のように冷たい風
棘のような冷たい風
荒々しい風
銀色の風

底冷え
冬めく朝
静寂の
音のない世界
静けさ
煙霧が立ち込める
朝もやの
灰色の世界
白いスモッグのような

 

【雪と氷や寒さ】

凍った土
凍てついた道路
アイスバーン
鉄鋼のような
厳しい寒さ

鋭く光る
光の粒
光の雫
銀世界
ダイヤモンドダスト

 

【空模様】

鉛のような
杢グレーの雲
杢色の空
白のグラデーション
グレートーン

重たい空
低い空
寒々しい空
陰気な

ガラスのような空
薄い色の空
灰色の景色
雲が低く垂れ込む

 

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俳句

こちらでは、『冬の朝』をあらわす
【冬の季語】の俳句をご紹介します。

 

五時はまだ星の綺麗置く冬の朝 稲畑汀子
星の綺羅仰ぐ旅立冬の朝 稲畑汀子
オリオンのかたむき消えぬ冬の朝 稲畑汀子
鳥ばかり静かにならぬ冬の朝 曽良
寒暁や 笠雲ふはと大阿蘇に 米田木綿
散る濤(なみ)に 冬暁の きざしけり  米沢吾亦紅
寒暁の街 朝刊を 配る音  榎本孤星
湯気立てて柱時計の くもりたる  高浜虚子
息白き朝の気配は すぐ失せて  稲畑汀子
朝の日ざし栗毛仔犬 凍れる樹  佐藤鬼房

 


「型」で学ぶはじめての俳句ドリル [ 岸本尚毅 ]

 

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オノマトペ

日本語には擬態語(オノマトペ)が豊富にあります。

オノマトペを使えば、より一層、ことばの表現に臨場感が出ます。情景も肌で感じるようにイメージすることができるから不思議です。

 

こちらでは、『冬の朝』を表現する
オノマトペ(擬態語)をあつめました。

4つのカテゴリーにわけてご紹介します。

 

最後には、オノマトペの表現として宮沢賢治の文章もご紹介!

ユニークな表現は、とても迫力と躍動感があり驚きます。

 

【朝の空気】

キンキン
ツーン
ツンツン
キーンキーン
シーン
きりきり
ピチピチ
ひりひり
ちくちく
ちりちり
キインキイン

 

【陽光や光】

きらきら
たよたよ
ようよう
ちらちら
きらりと
ぎらぎら
はらはら

 

【雪と氷】

しんしん
サラサラ
さらさら
ぱらぱら
はらはら
どさっと
ガサリ
どかどか
ミシミシ
すってんころりん
つるつる
バリバリバリ
キシリキシリ
カチンカチン
ポシャポシャ
ぽたぽた
こぼこぼ

 

【風】

ひゅうひゅう
ヒューッ
ゴーッ
どうーっと
ざあーっと
ガタガタ
ごとんごとん

 

【風】でも、とくに激しい風を表現している宮沢賢治の文章をご紹介。

こんなオノマトペの表現方法があるのだなって、感動しますよ!

 

どっどど どどうど どどうど どどう、
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいくぅわりんもふきとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう

宮沢賢治『風の又三郎』

 

つぎは、【霧と雫】の表現です。

霧がツイツイツイツイ降ってきて、
あちこちの木からポタリッポタリッと雫の音がきこえて来ました。
宮沢賢治『十力の金剛石』


賢治オノマトペの謎を解く [ 田守育啓 ]

 


オノマトペ 擬音語・擬態語の世界 (角川ソフィア文庫) / 小野正弘/〔著〕

 

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まとめ

今回は、『冬の朝』にまつわる言葉や季語、文章や俳句などをご紹介させていただきました。

『冬の朝』もいろいろな顔があります。

オノマトペを使えば、より一層肌感覚や気持ち、光や音などをリアルに表現できるから面白いですね!

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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