【春の季語】『山笑う』とはいつの季節のことば?意味や由来、俳句もご紹介♪

季節のことば・季語

『山笑う』という言葉を知っていますか?

この『山笑う』春の季語です。

春になって草木が芽吹き、花が咲いて、景色が明るくかがやきだしてきた様子を擬人化して表現した言葉です。

今回はこの『山笑う』について、意味や由来、俳句などをご紹介します。

俳句だけでなく、手紙や挨拶文書などでも使える素敵な言葉ですので、ぜひ参考にしてくださいね!

 

『山笑う』意味

『山笑う(やまわらう)』という言葉は、
春の季語で意味はつぎのとおりです。

 

春の山の草木が一斉に若芽を吹いて、明るい感じになるようすをいう。

「臥遊録」の『春山淡治として笑うが如し』からこのような意味のことばが使われるようになった。(引用:デジタル大辞泉)

 

おかめ
おかめ

『山が笑う』って、
春になって草花が咲いて、

明るくなった感じを表現しているんだにゃ。

 

ぽんた
ぽんた

つぎは、
『山が笑う』の
由来を紹介するにゃ!

 

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『山笑う』由来

『山笑う』という春の季語について、歳時記の本では、つぎのように解説しています。

春の山は笑う。木の芽や木の花に包まれる春の山を、朗らかに笑う人の姿になぞらえて『山笑う』という。

中国北宋の画家、郭熙(かくき)
「郭熙画譜」に四季の山それぞれの特徴として、

『春山淡冶にして笑うが如く
夏山蒼翠(なつやまそうすい)として滴るが如く、
秋山明浄
(めいじょう)にして粧ふが如く、
冬山惨淡
(さんたん)として眠るが如し』とある。

『淡冶(たんや)』とは、ほのかに艶があること。

ここから春の山を『山笑う』、夏の山を『山滴る』、秋の山を『山粧ふ』、冬の山を『山眠る』として季語とした。
(引用:角川俳句大歳時記 春)

 

『山笑う』という言葉は、春の季語で、春になって草木が芽吹きだし、花々が咲き、山々がうっすら色づく景色を

『まるで人が笑っているようだ』と表現した観念的な言葉です。

 

ことばの由来は、中国北宋画家の郭熙の
「郭熙画譜」である『臥遊録(がゆうろく)』といわれています。

 

この『臥遊録』の中には、つぎのような言葉があります。

 

『春山淡冶(たんや)にして笑うが如く』

 

淡冶とは、うっすらと艶めくさまという意味のことばです。

 

『春山淡冶にして笑うが如く』とは、

春山に草木が芽吹き、つややかで美しく光るさまは、まるで人が笑っているようだと表現しています。

 

『臥遊録』のこの言葉から『山笑う』という春の季語がうまれました。

 

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『山笑う』俳句

春の季語『山笑う』を使用した俳句をご紹介します。

 

筆取りて むかへば 山の笑ひけり
(ふでとりて むかえばやまの わらいけり)
大島蓼太

 

故郷や どちらを見ても 山笑ふ
(ふるさとや どちらをみても やまわらう)
正岡子規

 

三畳の 仏間より見え 山笑ふ
(さんじょうの ぶつまよりみえ やまわらう)
長谷川双魚

 

山笑ふ 聴けばきこゆる 雨の音
(やまわらう きけばきこゆる あめのおと)
千代田葛彦

 

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まとめ

今回は、『山笑う』という言葉について、ご紹介させていただきました。

まとめるとつぎの通りです。

  • 意味は、春の山の草木が一斉に芽吹き、明るくかがやく様子を擬人化して表現した言葉
  • 春の季語
  • 由来は、中国北宋画家の郭熙の画譜『臥遊録』の中の言葉

観念的な表現の言葉ですが、ちょっぴりユニークで愛らしい言葉ですね。

時候の挨拶などでも使えることばですので、ぜひ使ってみてくださいね!

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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