『麗らか(うららか)』ということば。
おだやかでやわらかな印象の言葉ですよね。
『うららか』とは、日ざしが柔らかくのどかに照っているようすを表わす言葉であり、
春の季語でもあります。
『うららか』とは、日本古来の大和言葉らしく、文字の並びも、音の感じも、なんともいえないあたたかさと優美さを感じます。
今回はこの『うららか』について、意味や由来、言葉の使い方について解説していきます!
『うららか』の意味
【うららか】の意味は、つぎのとおりです。
【うららか】とは、漢字では【麗らか】と書きます。
【うららか】とは、明るい日の光がおだやかに降り注ぐような様をいいます。
それとは別に、気分が晴れ晴れとしたようすをあらわすときにも使う言葉です。
『うららかな季節』とは、桜の花が咲きはじめたころから、各地で見頃を迎えるころまでの春の季節のことをいいます。
さらに【うららか】とは、日本古来の大和言葉で、春の季語でもあります。
春の季語でもある。
「うらら」ともいい、「うららかに照る日」のように用いられる。
「うらうら」ともいい、「春の日がうらうらと照る」のように用いる。
(出典:大和ことば辞典)
うららかって、
きれいなことばだにゃ♪
春の季語にゃんだな。
つぎは、
うららかの語源について
解説するにゃ!
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『うららか』の語源
【うららか】の語源には、ふたつの要因があります。
ひとつめの【うららか】の語源は、つぎのとおりです。
『ウララ』は、擬態語の『ウラウラ』が短くなったもの。
『カ』は、接尾語※
『ウララ』『ウラヤカ』ともいう。
この『ウラ』と、ウルワシ(麗)の『ウル』は同根である。
(出典:語源辞典 形容詞編)
【うららか】とは、上記のとおり、擬態語の【うらうら】という言葉が短くなったものです。
ちなみに擬態語とは、物ごとの様子をあらわす言葉です。
きらきら、つるつる、どんどん、ぐちゃぐちゃ、
などの言葉です。
【うらうら】の意味は、つぎのとおりです。
【うららか】とほぼ同じです。
【うららか】の語源について、もうひとつはつぎのとおりです。
『心(ウラ)』の環境に対応することが基になっている。
自然の良いことに会えば【うららか】となり、『麗し(ウルワシ)』なども同じ。
反対に、人事の良くない機会に会えば
『羨む(ウラヤム)』『恨めし(ウラメシ)』などに変化する。
(出典:語源辞典 形容詞編)
これは【うららか】の意味である、
人の心や気分をあらわすところに対応しているものです。
『心』は、『ウラ』とも読みます。
良きことに出会い、晴れやかな心の状態のときを【うららか】といい、
反対に、人事の悪しきことに出会い、気分の悪いときは、『羨む(ウラヤム)』や
『恨めし(ウラメシ)』などといいます。
ちなみに『羨む』とは、
【心(ウラ)+病む(ヤム)】が語源の言葉です。
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『うららか』の使い方
【うららか】の使い方について、ご紹介します。
手紙を書く時
大切な方への手紙や招待状をおくるとき、言葉選びに悩むこともあると思います。
はじまりの言葉が季節を感じる素敵なものであれば、受け取る方も嬉しくなるのではないでしょうか?
手紙や招待状をおくるときに使う【うららか】を含む季節の言葉(時候の挨拶)をいくつかご紹介します。
- うららかな好季節を迎え(4月上旬)
- 春光うららかな季節を迎え
(4月上旬) - 春光うららかな今日この頃
(4月上旬~中旬)
うららかな春の日のことです。【うららか】とは日の光がのどかに照っている様をいいますが、春の陽光が輝きだし、すべてがやわらかで美しくみえるさま(季節)を伝えています。
ひなげしの花は4月頃から咲き始めますが、ひなげしは別名を『麗春花』といいます。うららかな春を伝える言葉です。
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春の季語として使う
【うららか】は、春の季語でもあります。
季語とは、連歌、俳諧、俳句などにおいて、特定の季節をあらわす言葉のことをいいます。
たとえば、紅梅(春)、五月雨(夏)、紅葉(秋)、初雪(冬)などのことです。
春の季語、【うららか】をつかった俳句を3つかご紹介します!
- うらゝかや 氷の解けし 諏訪の湖
(正岡子規) - 淡路島 鳥の眼で見る うららかに
(山口青邨) - うららかや 雀ひばりに 鳴きまじり
(能村登四郎)
穏やかであたたかな、春の日差しがやさしく降り注ぐような風景、目に浮かびましたか?
【うららか】をほかの季節で使うときは?
【うららか】を春以外の季節で使うときは、つぎのようになります。
秋のばあいは、
『秋麗(しゅうれい・あきうらら)』
冬のばあいは、
『冬麗(とうれい・ふゆうらら)』
ただし、夏は『うららか』『麗』という言葉を使うことはありません。夏のときは、違う言葉で表現することになります。
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まとめ
今回は【うららか】という言葉について、解説しました。
要点をまとめるとつぎのとおりです。
- 春の季語で、大和言葉。
- 意味は、『日の光がのどかに照っている様』をいう。
- うららかな気分というように『心配ごとのない明るい心境』をあらわすこともある。
- 語源は2つあるといわれている。
とっても響きの美しい言葉ですので、意味や使い方を知って、さまざまな場面でこの言葉を活用していただきたいです。日本語って、素敵ですね^^
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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