冬の夜空は空気が澄み、気温もぐんと低くなって、キーンと冷たい大気が広がります。
空気には、なぜか硬さも感じられる。
『冴ゆる』とは冬の季語で、凛とした寒さが際立つ感じをあらわした言葉。
そんな凛とした冬の夜空には、月や星がうつくしく輝きます。
今回は、冬の夜空を彩る月や星にまつわる【冬の季語】を一覧にまとめました。
同時に、『冬の夜』を連想させる言葉もあつめています。
冬の夜空の言葉で、冬をぜひ感じてみてくださいね!
『星』に関する季語
こちらでは、冬の夜空の星にまつわる季語を一覧にまとめました。
季語 | 読みかた | 意味 |
荒星 | あらぼし | 寒風吹きすさぶ、冷たく荒れた夜空に輝く星のこと。 |
青星 | あおぼし | 冬の星おおいぬ座、主星シリウスの和名のこと。冬空で、もっとも強い青白い光を放つ星。 |
凍星 | いてぼし | 空気が凍りついたように冴えわたる冬の夜空の星のこと。 |
オリオン | 星座となったギリシア神話の巨人のこと。オリオンは、海神ポセイドンの子で、すこぶる美男で狩人。粗暴なところが仇となり、天罰がくだり、天の星になったといわれる。 | |
枯木星 | かれきぼし | 枯れ木の上にある星のこと。 |
寒昴 | かんすばる | 牡牛座に属する星で、昴星の輝きはとくに印象深い。プレアデス星団の和名を昴という。昴とは、日本語ではもともと星が集まってひとつになるという意味がある。 |
寒星 | かんすばる、 かんせい | 冷たく冴えわたる夜空に輝く星のこと。 |
参宿 | しんしゅく | オリオン座の中国名。 |
天狼 | てんろう | 大犬座、シリウスのこと。 |
※『冬の夜』にかんする言葉を知りたい方は、
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季語 | 読みかた | 意味 |
冬の太白 | ふゆのたいはく | 冬の金星のこと。 |
冬の星 | ふゆのほし | オリオン、昴、シリウス(天狼)など、寒夜に鋭くまたたく星のことをいう。 |
冬銀河 | ふゆぎんが | 冬の夜空にかかる天の川のこと。 |
冬北斗 | ふゆほくと | 冬の夜空に冴える北斗七星のこと。 |
冬星 | ふゆぼし | 星そのものが最も鮮やかに眺められる冬天の星 |
星の入東風 | ほしのいりごち | 旧暦10月ころに吹く北東風のこと。近畿、中国地方の船人の間で用いられた言葉。 |
六連星 | むつらぼし | 昴(プレアデス星団の和名)の別称。昴は1月下旬に南中することから冬の季語とされる。 |
冴ゆる星 | さゆるほし | 寒さで澄み切った感じの星のこと。 |
星冴ゆる | ほしさゆる | 澄み渡る夜空に、星があざやかに透き通るように輝いている様子のこと。 |
星の出入 | ほしのでいり | 陰暦10月中旬頃に吹く、北東の風のこと。 |
三つ星 | みつぼし | オリオン座の中央部に並んでいる三個の星のこと。オリオン座は2月中旬頃の夕方に南中することから、冬の季語とされる。 |
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『月』に関する季語
冬の夜空に浮かぶ月は、なぜか冷たさを感じませんか?
冬の月にかんする季語には、冷たさを感じるような言葉も数多くあります。
こちらでは、冬の月にかんする季語をあつめました。
季語 | 読みかた | 意味 |
寒月 | かんげつ | 冬の夜に、冷たく冴えわたる月の光のこと。 |
寒三日月 | かんみかづき | 冴え冴えと輝く利鎌(とがま:切れ味のよい鎌のこと)のようにみえる冬の三日月のこと。 |
極月 | ごくげつ | 月そのものというより、12月の異称のことで、師走のこともさす。 |
月氷る | つきこおる | 冴えきった大気の中で、まるで鏡のように澄んだ月のようすのこと。 |
月冴ゆる | つきさゆる | 冴えきった大気の中で、まるで鏡のように澄んだ月のようすのこと。 |
冴ゆる月 | さゆるつき | 寒さで澄み切った大気の中で、輝いて見える月のこと。 |
月の氷 | つきのこおり | 月の光が清らかである様子をいう言葉。 |
月の霜 | つきのしも | 月の光が冴えわたり、地上を白く照らす様子を霜にたとえた言葉。 |
冬の月 | ふゆのつき | 冬の夜、寒々として照る月のこと。 |
冬三日月 | ふゆみかづき | 冬の三日月のことで、寒空に冷たく輝く三日月は、鋭い刃物のような印象がある。 |
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『冬の夜』連想ことばと季語
こちらでは、『冬の夜』を連想するような言葉や季語をあつめました。
季語 | 読みかた | 意味 |
雨夜の月 | あまよのつき | 雨雲に隠れた月のこと。想像するだけで、目には見えないもののたとえをいう。 |
雨夜の星 | あまよのほし | 雨雲に隠れた星のこと。雨降りの夜の星のことで、あっても見えないもの、めったにないもののたとえ。 |
円月 | えんげつ | まあるい月、満月のこと。 |
煙月 | えんげつ | 煙ったようにかすんで見える月のこと。 |
限りの月 | かぎりのつき | 月そのものというより、12月の異称のことをいう。師走のこともさす。 |
佳月 | かげつ | 佳い月、めでたい月のこと。名月。 |
寒夜 | かんや | 寒さが厳しい冬の夜のこと。類語:寒き夜《冬の季語》 |
寒菊 | かんぎく | 菊の一品種のことで、花も葉も小型。12月から翌1月にかけて黄色い小さな花を咲かせる。《冬の季語》 |
寒林 | かんりん | 冬枯れの寒々とした林のこと。《冬の季語》 |
銀鉤 | ぎんこう | 新月のことをいう。月の姿が銀の鉤のようにみえることからつけられた言葉。 |
暁月 | ぎょうげつ | 夜明けに残る月。明け方の月のこと。 |
湖月 | こげつ | 湖に映った月のこと。また、湖上の月。 |
北しぶき | きたしぶき | 冬に北からふきつける風雨のこと。《冬の季語》 |
季冬 | きとう | 冬の終わり、晩冬のことをいう。《冬の季語》 |
銀花・銀華 | ぎんか | 降る雪をたとえていう言葉。《冬の季語》 |
銀雪 | ぎんせつ | 銀色に輝く雪のこと。 |
葛湯 | くずゆ | 葛粉に砂糖を入れて、湯を注いで混ぜたもの。体が温まり、冬に食することが多い。《冬の季語》 |
月影 | げつえい | 月の光や、月の影のこと。同じ『月影』でも『つきかげ』は秋の季語で、月の形や月の姿をいう。 |
月露 | げつろ | 月と露。また、月の光がうつった露のこと。 |
孤月 | こげつ | ものさびしく見える月のこと。 |
冴ゆる | さゆる | 凛とした寒さが際立つ感じをいう。あらゆるものが、まるで透き通る様な冷たさを感じること。《冬の季語》 |
小夜時雨 | さよしぐれ | 夜に降る時雨のこと。《冬の季語》 |
小夜更けに | さよふけに | 夜が更けて、夜の更けるころのこと。 |
霜見草 | しもみぐさ | 寒菊の異名。《冬の季語》 |
白河夜船 | しらかわよふね | ぐっすり寝込んでいて何が起こったかまったく知らないこと。何も気が付かないほどぐっすり寝込んでいるようなさま。 |
冬至 | とうじ | 二十四節気のひとつ。新暦で12月22日ころ。太陽が最も南行し、一年中で一番昼が短く、夜が長い日のこと。無病息災を祈り、柚湯に入る習わしがある。《冬の季語》 |
月の輪 | つきのわ | 月の異称。とくに満月のことをいう。 |
糠星 | ぬかぼし | 星くずのこと。名もない小さな星々のこと。 |
ねんねこ | 眠ることをさす、幼児語のこと。《冬の季語》 |
季語 | 読みかた | 意味 |
白月 | はくげつ | 光の明るい月、明るく輝く月のこと。 |
氷輪 | ひょうりん | 氷ったように輝く月のこと。冷たく感じられる月。 |
冬霞 | ふゆがすみ | 冬の季節に立ち込める霧のこと。《冬の季語》 |
冬化粧 | ふゆげしょう | あたり一面に雪が降り積もり、まるで化粧でもしたように真っ白になり、冬らしさを感じる光景のこと。《冬の季語》 |
冬木立 | ふゆこだち | 冬になり、落葉した木々のこと。《冬の季語》 |
冬籠り | ふゆごもり | 人や動物が、冬の寒い期間、家や巣、土の中などにこもって過ごすことをいう。《冬の季語》 |
冬座敷 | ふゆざしき | 火鉢など、冬用のしつらえを施した座敷のこと。《冬の季語》 |
冬ざれ | ふゆざれ | 草木などが枯れはてて、物寂しい冬の風物のようすのこと。《冬の季語》 |
冬将軍 | ふゆしょうぐん | 冬の厳しい寒さを擬人化した表現のこと。《冬の季語》 |
冬野 | ふゆの | 荒涼とした、物寂しい冬の野のこと。《冬の季語》 |
星屑 | ほしくず | 散らばって光る無数の小さな星のこと。恒星によってつくり出される元素のこと。 |
星の原 | ほしのはら | 天空、空のこと。 |
星原 | ほしはら | 星の群れが集まっているところ。星が多く出ている空のこと。 |
山眠る | やまねむる | 静まり返る冬の山をあらわした言葉。《冬の季語》 |
夜雨 | やう | 夜に降る雨のこと。よさめ。 |
雪時雨 | ゆきしぐれ | 雪まじりの雨のこと。みぞれのこと。《冬の季語》 |
夜寒 | よさむ | 夜更けになると感じられる寒さのこと。冬の夜は冷え込み、寒さが際立つ。《冬の季語》 |
夜時雨 | よしぐれ | 夜に降るしぐれのこと。《冬の季語》 |
夜半の冬 | よわのふゆ | 冬の夜更けのこと。《冬の季語》 |
立冬 | りっとう | 二十四節気のひとつ。新暦では11月7日ころで、冬の始まる日をさす。《冬の季語》 |
侘助 | わびすけ | ツバキ属の花。花も葉も小ぶりで、白、紅、しぼりなど一重が半開きに咲く日本人好みの美しい花。茶花としても重用されている。《冬の季語》 |
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冬の星座
さいごに、『冬の星座』という歌をご紹介します。
あなたは、この歌を知ってますか?
『冬の星座』という歌は、
1947年(昭和22年)に国定教科書に掲載された日本の唱歌です。
作詞が、堀内敬三氏、
作曲は、ウィリアム・へイス氏。
『冬の星座』という日本の唱歌を聴くと、
冬の星座を知ることができます。
歌詞を読んでみれば、冬の夜空をことばで堪能することができます。
ところで、冬の夜空を彩る『冬の星座』には、どんな星座があるのでしょうか?
『冬の星座』には、
冬の大三角形をつくる
オリオン座、おおいぬ座、こいぬ座、
そのほか、おうし座やふたご座、山猫座、
うざぎ座、馭者座(ぎょしゃ座)、一角獣座(いっかくじゅう座)などがあります。
こちらではぜひ、『冬の星座』を聴きながら
想像力をつかって、冬の夜空を眺めてみてくださいね^^
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まとめ
今回は、冬の夜空を彩る星や月、星座にまつわる季語やことばをご紹介させていただきました。
キーンと空気が冷え、澄み渡る冬の夜空では、月や星もクリアに輝いて見えるから不思議です。
冬と夜空も、なんとなく相性がいい。
今回ご紹介した冬の夜空にかんする季語や言葉で、あなたの表現の世界が広がれば幸いです^^
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
コメント
一つひとつの名前や、意味などを詳しく載せてもらっているのでわかりやすい。
小6年生 単価の言葉に使わせていただきます!
コメントありがとうございます!わたし自身も言葉を知り、学びながら、書いているのでたのしいです^^